ドローン活用事例を紹介!ビジネスでの最新トレンドと市場動向 

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ドローンに係るニュースが以前に比べて多く見るようになってきました。

ドローンの性能が上がったり、法整備が整ってきたりして、ドローンが活躍できる機会が増えてきたと言えるでしょう。

そんな中、ドローンのニュースを読んで、こんな疑問や興味を持っていいませんか?

  • ドローンの成長規模は?
  • ドロ-ンの市場は本当に伸びているの?
  • どの分野が伸びているのか知りたい

この記事では、日本のドローン産業の市場規模、そして成長している分野やドローンのビジネスモデルについて解説します。

ドローンの現状を理解する事でビジネスチャンスを掴むことも夢ではないでしょう。

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市場規模と成長予測

2022年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は3086億円と推測されています。

さらに、2023年度には前年度比24.0%増の3828億円に拡大し、2028年度には9340億円に達すると見込まれています。

2022年度~2028年度の年間平均成長率に換算すると、年20.3%増加となります。

比較として日本のクラウド市場の成長率は、2022年から2027年の間で年間平均成長率17.9%と予測されています。

クラウド市場も高い成長率を示していますが、ドローンビジネス市場の成長率は更に上回っています。

年20.3%増加という高い成長率は、他の産業では見ることが出来ません。

ドローン先生

ドローンビジネスが急速に拡大しているんですね

ドローンビジネスの成長分野

2023年時点で、ドローンは次の分野でビジネスに導入され、その存在感を示しています。

  • 調査
  • 点検
  • 測量
  • 農薬散布
  • エンターテインメント(ドローンショーなど)

ドローンの物流分野では、実験が全国で行われ、社会での利用に向けた課題が見つかっています。

まだ、ビジネスとして成り立つか、運用の方法などの問題がありますが、2025年以降には本格的に市場が広がると考えられています。

ドローンを活用したインフラと設備の点検

ドローンはインフラと設備の点検に広く活用されています。

特に、高所や狭小空間など危険で人が立ち入れない場所で、ドローンは安全かつ効率的な解決策として活躍しています。

主な例では、マンションの外壁や橋梁、ダム内の廊下、配管点検などです。

国土交通省のデータによると、2m以上の橋梁は全国に約70万箇所も存在しています。

2023年時点で建設後50年を経過する橋は約43%、10年後には67%にまで増えると予想されています。

この分野では大手通信事業者やインターネットサービス企業のグループ企業なども参入していて「KDDIスマートドローン株式会社」「楽天ドローン株式会社」などがその一例です。

農薬をドローンを使って散布

農業分野では、ドローンは農薬散布の効率化に貢献しています。

従来の手作業や大型機械に比べて、ドローンはより正確に短時間で農薬を散布することが可能です。

令和3年度には、薬品メーカーにより農林水産省へドローンに適した農薬が新たに135剤。

普及計画策定から令和4年度までには、累計404剤登録されました。

ドローンに適した農薬登録の拡大が進み、散布実績も増加しています。

農薬散布以外は、以下の分野で活用や実証実験が行わるなどドローンの活用期待が高まっています。

  • 肥料散布
  • 果物などの授粉作業

エンタメ分野に積極的な参入

エンタメ分野では、ドローンショーが注目を浴びています。

数百台のドローンが一斉に飛行し、きらびやかな光で夜空に様々なパターンを描く様子は、観客に大きな感動を与えてくれます。

企業のプロモーションに利用されることもあります。

ドローン先生

各地で多くのドローンショーが開催されて、実際に見に行った人もいるのではないでしょうか?

2024年9月26日、深セン湾公園で行われたドローンショーでは、10,197機のドローンが使用され、2つのギネス世界記録が樹立されました。

  • 1台のコンピューターで制御されたドローンが同時に離陸した最多数
  • ドローンによって作られた空中パターンの最多数

さらに、2024年9月4日には、7,998機のドローンを使用した別のショーが行われ、こちらもギネス世界記録を更新しました。

このショーでは、日本のバーチャルシンガー「初音ミク」の楽曲『Intergalactic Bound』をテーマにした映像が夜空に描かれ、幅約155m、高さ約85mの巨大なディスプレイが実現されました

ドローン先生

ドローンは安全な点検、効率的な散布、感動的なショーが可能になり、その利用は拡大していますね

ドローンのビジネスモデル

ここでは、報道されたニュースから、ドローンの動向について見ていきます。

2023年5月 ドローン農薬・肥料散布の対象を果樹や野菜に拡大

WAKWAK指宿株式会社(鹿児島県指宿市東方)は、ドローンによる農薬・肥料散布が稲作だけでなく果樹や野菜にも拡大しています。

今まで1日がかりで計画していた散布作業の時間を10haあたり10~15分に。

生産性を向上し、農業の強化と食料自給率向上に貢献してくれるでしょう。

▶出典 ドローンジャーナル

2023年7月~11月 東京ディズニーリゾート40周年スペシャルドローンショー開催

東京ディズニーリゾートの40周年を記念して、全国の花火大会でスペシャルドローンショーが開催されました。

開催地はテーマパーク内ではなく静岡、小樽、石巻、鹿児島、長野の5都市で行われたのです。

約700機のドローンが夜空に飛び立ち、ディズニーソングに合わせてキャラクターを描き出し、観客に夢と笑顔を届けました。

ディズニーがこのようなイベントを行うという事は、更にエンタメ分野でのドローン活用が進むのではないでしょうか。

出典 東京ディズニーリゾート公式/TokyoDisneyResortOfficial

2023年12月 日本航空とKDDIスマートドローンが資本業務提携

ドローン業界では提携や共同での実証実験などが盛んに実施されています。

ドローンの飛行は、「目視外飛行」や、「1人の操縦者が複数のドローンを操作」するなど、より高度で効率を高める使い方が求められています。

これを実現するためには、適切な安全管理と操作方法が必要です。

日本航空とKDDIスマートドローンは、この分野でのドローンの利用を広げるために、共同で新しい仕組みを開発し、業務提携を行いました。

一人のオペレーターが複数のドローンを管理できるようになると、物流の分野では配送効率が大幅に改善されると期待されます。

▶出典 DORNE

ドローン先生

生産性を向上させる取り組みや人の心を豊かにできるドローンには夢しかないですね

産業用に使われているドローンやドローンの仕事をするための情報をまとめいます。ぜひ参考にしてみて下さい。

▶︎ 分野別!産業用ドローンの特徴・活用内容10選!

▶︎【未来の職業】ドローン操縦士の求人が急増!?新しい時代のパイロットへ

ドローンの導入実験の結果と課題

ドローンは様々な分野、様々な会社によって、導入や実証事件が実施されました。

ここではドローン導入の事例を紹介します。

ドローンを活用して、安全性が向上したり、人の手が省けたり、成果も上げています。

下記の分野にて、事例を紹介していきましょう。

ドローン先生

ぞれぞれの事例をクリックすると、該当する記事を確認できます!

ドローン点検:北海道開発局がダム管理の実証実験

老朽化が進むダムなどのインフラ設備の点検は、安全性と効率性の両立が課題となっています。

北海道開発局はドローンを活用した点検技術の導入を進めており、従来の点検方法が抱えていた課題解決に貢献しています。

従来のダム点検は、作業員がダム内部を徒歩で巡回し、目視で確認を行う方法が主流でした。

ダム点検は、高所作業など危険を伴う上、時間と労力がかかるという課題がありました。

また、目視による点検には精度の限界もありました。

北海道開発局では、これらの課題を解決するためにドローンを活用した点検方法の実証実験を実施しています。

ドローン点検により、作業時間の大幅な短縮と安全性向上が確認されています。

遠隔操作による点検は作業員の安全を確保し、高解像度カメラによる点検は精度の向上に貢献します。

ドローン点検は、まだ初期投資や操縦者の育成といった課題もありますが、北海道開発局の取り組みは、今後のダム管理の未来を拓く重要な一歩と言えるでしょう。

より安全で効率的なダム管理体制の構築が期待されます。

▶︎【北海道開発局】ダム管理の効率化に向けたドローンの活用を検証

KDDIのスマートドローンの橋梁点検

老朽化する橋梁の点検も、安全性と効率性の両立が重要な課題です。

KDDIスマートドローンは、ドローン技術を活用した革新的な点検ソリューションを提供し、従来の方法が抱えていた課題の解決に貢献しています。

従来の橋梁点検は、作業員が高所作業車や足場を使って目視で行うため、危険が伴う上に時間とコストがかかるという問題がありました。

3日間かかることも珍しくなく、高所での作業は常に危険と隣り合わせでした。

さらに、足場や特殊車両の設置には高額な費用が発生していました。

KDDIスマートドローンでは、Skydio 2+のような小型ドローンを導入することで、これらの課題を解決しています。

このドローンは自動で障害物を回避できるため、高所での危険な作業を軽減できます。

実際に、ドローンによる点検では、従来3日かかっていた調査が1日に短縮され、1回15分のフライトを3~4回行うことで、約2時間で橋梁全体を撮影できます。コストも約198万円から約50万円に削減された事例もあります。

ドローンによる橋梁点検は、作業効率、安全性、コスト面で大きな改善をもたらしています。

特に、小規模な橋梁の約7割はドローンだけでカバーできるようになり、撮影した映像を3Dデータに変換することで損傷箇所を正確に把握できるなど、データ収集の精度も向上しました。

【参考資料】現地調査が3日から1日に ドローンが橋梁点検の常識を変えた

JAレーク大津:ドローンで進化する農薬散布、収量・品質向上を実現

日本の農業は、高齢化と労働力不足という深刻な課題に直面しています。

特に、農薬散布のような重労働は、高齢化する農家にとって大きな負担となっています。

滋賀県のJAレーク大津では、これらの課題を解決するためにドローンを活用した農薬散布を導入し、大きな成果を上げています。

従来、農薬散布は動力噴霧機を用いた手作業で行われていました。

高齢の農家にとっては重労働であり、広範囲の散布には時間がかかり、急傾斜地などでの作業は特に困難でした。

また、民家近くでの粉剤散布が制限されるなど、環境への配慮も課題となっていました。

JAレーク大津は、DJI社製のドローンを導入することで、これらの課題を克服しました。

ドローンは10アールあたり約10分で散布でき、従来の動力噴霧機(40分)と比べて作業時間を大幅に短縮。

高齢農家の作業負担を軽減し、急傾斜地でも効率的な散布を実現しました。

また、精密な散布により環境への影響も最小限に抑えられています。

ドローン導入後、水稲約86ha、大豆8.5haに農薬散布を実施した結果、収量と品質が向上しました。

玉ねぎなどの作付面積も拡大し、地産地消を活かした都市型農業への展開も進んでいます。

ドローンによる農薬散布は、高齢化や労働力不足といった農業の課題解決に大きく貢献する技術です。

初期投資や操縦者の育成といった課題はありますが、JAレーク大津の事例からもわかるように、その効果は期待以上と言えるでしょう

▶︎【参考資料】ドローンを活用した農業現場の取組みについて

大林組:ドローン測量で東京ドーム1個分の作業を2人工に!

建設業界において、測量はプロジェクトの基盤となる重要な作業です。

しかし、従来の測量方法は時間と労力がかかり、安全性にも課題がありました。

大林組は、これらの課題を解決するためにドローンを活用した測量を導入し、劇的な効率化を実現しています。

従来の測量では、作業員が測量機器を携え、現場を歩き回りながらデータを取得していました。

広大な敷地や高低差のある場所では、作業に多くの時間と労力が必要で、作業員の負担も大きなものでした。

また、急斜面や危険な場所での作業は安全面でもリスクがありました。

大林組はドローンを導入することで、これらの課題を克服しました。

ドローンは上空から高精度な撮影を行うことができ、広範囲を短時間でカバーできます。

例えば、東京ドーム1個分の敷地の測量において、従来は28人工かかっていた作業が、ドローン導入によりわずか2人工にまで削減されました。

実に90%以上の効率化に相当します。

危険な場所での作業もドローンが代行するため、安全性も大幅に向上しました。

ドローンで取得したデータは3D点群データとして活用され、土量計算や出来形管理など、様々な用途で利用されています。

これにより、プロジェクト全体の効率化とコスト削減に貢献しています。

ドローン測量は、建設業界の生産性向上に大きく貢献する技術です。

▶︎【大林組】施工の生産性を高めるロボティクスコンストラクション

清水建設:ドローン活用で施工管理をスマート化、現場の課題を解決!

ほかの有名建設会社でも生産性向上は喫緊の課題です。

他社でも同様に、施工管理業務は現場全体の進捗や安全を管理する重要な役割を担う一方、多くの時間と労力を必要とする側面がありました。

清水建設も、この課題にドローンを活用した革新的なソリューションで挑んでいます。

従来の施工管理では、担当者が広大な現場を巡回し、進捗状況を目視で確認する必要がありました。

この方法は非効率なだけでなく、情報共有の遅延や、高所など危険な場所での安全確認といった課題も抱えていました。

そこで清水建設は、アフリカのガーナの交差点の工事においてCLUEの提供するドローン自動航行システムを導入。

このシステムにより、ドローンが自動で現場上空を飛行し、高解像度画像や動画を撮影します。

取得したデータはクラウド上で管理され、関係者間でリアルタイムに共有することが可能になります。

これにより、現場巡回にかかる時間と労力を大幅に削減。担当者は、より重要な業務に集中できるようになりました。

また、リアルタイムな情報共有により、発注者とのコミュニケーションも円滑化、迅速な意思決定を支援します。

清水建設では、このシステムを活用することで、従来の課題を解決し、施工管理業務を飛躍的に効率化することに成功しています。

危険箇所の点検もドローンが担うことで、安全性も向上しました。

ドローンを活用した施工管理は、建設業界の未来を大きく変える可能性を秘めています。

清水建設の取り組みは、その先進性を示す好例と言えるでしょう。

▶︎【参考資料】アフリカで清水建設がドローン導入。現場の定点観測で業務効率が200%アップ!?

日本郵政、ドローン配送で山間部の課題を解決!未来の物流を描く

過疎化や高齢化が進む地域では、物流の維持が大きな課題となっています。

特に、山間部や離島では、道路状況の悪化や人手不足により、安定した配送が困難な場合も少なくありません。

日本郵政はドローンを活用した配送の実証実験を行い、未来の物流の姿を提示しています。

従来、山間部や過疎地域への配送は、道路状況に大きく左右されていました。

悪天候や災害時には配送が遅延、あるいは不可能になることもありました。

また、高齢化に伴う人手不足も、物流網の維持を困難にする要因の一つです。

日本郵政は、ACSL製のドローン「PF2-CAT3」を活用したレベル4飛行(有人地帯での補助者なし目視外飛行)による配送実験を実施しました。

このドローンは最高時速36kmで飛行し、従来では迂回が必要だったルートも直線的に飛行することが可能です。

実証実験では、往復距離約9kmの区間をわずか18分で完了するという、目覚ましい成果を上げました。

このドローン配送は、単に時間を短縮するだけではありません。

人によるアクセスが難しい地域にも安全に荷物を届けることができ、特に高齢者や障害のある方にとって大きな利便性向上に繋がります。

また、配送業務の人手不足の解消にも貢献すると期待されています。

実証実験の結果は非常にポジティブで、地域住民からもドローン配送への期待が高まっています。

山間部や過疎地域といった、従来の物流システムではカバーしきれなかったエリアへ、新たな物流網を構築する可能性を秘めています。

日本郵政の取り組み国土交通省の資料からも、ドローン配送が未来の物流を担う重要な技術であることが分かります。

▶︎【参考資料】未来の物流レボリューションVol.4 日本初!レベル4飛行でのドローンによる配送を実施!

ドローンが切り拓く災害対応の未来:能登地震での活躍に見る可能性

2024年1月に発生した能登半島地震は、甚大な被害をもたらしました。

この未曾有の災害において、ドローンは人命救助、被災状況の把握、物資輸送など、様々な場面で活躍し、その有効性を改めて示しました。

従来の災害対応では、道路の寸断などにより情報収集が困難となるケースが多く、初動対応の遅れに繋がっていました。

人力による調査やヘリコプターによる空撮は時間とコストがかかり、迅速な対応を阻む要因となっていました。

しかし、ドローンはこれらの課題を克服しました。

能登半島地震では、地震発生直後からドローンが被災地上空を飛行し、リアルタイムで被害状況を把握することに成功しました。

建物の倒壊状況や道路の寸断状況などの情報が迅速に集まり、救助活動や復旧作業の計画立案に大きく貢献しました。

特に、孤立した地域への物資輸送において、ドローンは目覚ましい成果を上げました。

輪島市では、約3km離れた避難所へ医薬品をわずか10分で輸送することに成功。

従来の陸路輸送では困難な状況下でも、迅速な支援を可能にしました。

また、赤外線カメラを搭載したドローンは、倒壊家屋内の生存者捜索にも活用され、人命救助に役立ちました。

ドローンの活用により、災害対応は大きく進化しました。

迅速な情報収集と物資輸送は、初動対応の効率化に繋がり、多くの命を救うことに繋がったと言えるでしょう。

東京海上ディーアール株式会社のレポートでも、ドローンの有効性と今後の課題が詳細に分析されています。

もちろん、ドローンの活用には飛行規制や操縦者の確保など、いくつかの課題も残されています。

しかし、能登半島地震での経験を活かし、技術開発や運用体制の整備を進めることで、ドローンは未来の災害対応において、より重要な役割を担っていくことが期待されます。

▶︎【参考資料】能登半島地震の災害対応におけるモビリティ活用

まとめ

ドローンは調査・点検、測量、農薬散布、エンターテイメントといった分野で活躍しています。

今後もドローン市場は引き続き成長すると予想されています。

継続してニュースなどからの新たなビジネスの事例を発掘し、ドローンが活躍する様子を見守っていきましょう。

ドローンがどのように社会に活用されていくかを理解することで、その可能性にいち早く気付くことが出来るのです。

みなさんも、アンテナを高く持つことで、ビジネスの大きな機会を手に入れる可能性があります。

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