【事例付き】ドローン係留で業務効率UP!導入方法を解説
「ドローンを安全便利に活用したいけれど、運用に関する法規制や許可が気になる…」
そんな不安を解消するのが、ドローンの「係留飛行」です。
しかし、ドローンの係留を始めて聞いたあなたは、こんなことが頭に浮かんでいませんか。
- ドローンの係留って何?
- ドローンを係留して飛ばす法律はどんな内容?
- ドローンを係留すると許可・承認が不要になるってホント?
この記事では、そんな疑問を解消します。
ドローンの係留飛行に関する法規制、安全ガイドライン、そして国土交通省のガイドラインも踏まえて、係留装置の選び方や自作方法について詳しく解説します。
どのようなシーンで活用できるのか、実際の利用例を交えながら、ドローンを係留して運用する際のポイントをわかりやすく紹介します。
実際の活用例を詳しく解説します。
安心して飛ばすための情報が、ここにあります!
- 1. ドローン係留の基礎知識! 初心者にもわかりやすく解説
- 1.1. ドローン係留とは:仕組みと特徴を図解で解説
- 1.1.1. 係留の方法
- 1.1.2. 係留の種類
- 1.2. 係留飛行に必要な機材と選び方
- 1.2.1. 強度の高い紐やワイヤー
- 1.2.2. 固定地点
- 1.2.3. 係留装置
- 1.3. 係留装置を使うメリット・デメリットを比較検討
- 1.3.1. メリット
- 1.3.2. デメリット
- 2. ドローン係留の活用シーン!どんな場面で活躍?
- 2.1. インフラ点検:橋梁・ダム・電力設備の空撮
- 2.2. 大規模施設の警備・監視システム
- 2.3. イベント空撮とライブ配信
- 2.4. 災害対策・救助活動での活用
- 3. 安全な係留飛行のための実践ガイド
- 3.1. 係留装置の設置:場所選びと周囲への配慮
- 3.2. 飛行前後のチェックリスト
- 3.3. トラブル対処法:よくある問題と解決方法
- 4. 係留飛行の法規制と申請手続き
- 4.1. 航空法における係留飛行の位置づけ
- 4.1.1. 必要な措置
- 4.1.2. 飛行場所や飛行方法
- 4.2. 申請が必要なケースと手続きの流れ
- 4.2.1. 申請が必要な飛行
- 4.2.2. 申請手続き
- 4.3. 安全基準と遵守事項
- 5. まとめ:係留飛行で広がるドローンの可能性
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ドローン係留の基礎知識! 初心者にもわかりやすく解説
ドローンの係留は、様々な分野で活用されています。
ここでは、ドローン係留の仕組みや特徴、必要な機材について、図解を交えながらわかりやすく解説します。
ドローン係留とは:仕組みと特徴を図解で解説
ドローン係留とは、ドローン本体と固定地点を強度の高い紐や、ワイヤーでつなぎ留めた状態で飛行させる方法です。
この方法により、ドローンの飛行範囲を制限が可能です。
バッテリー不足や天候による思いがけないトラブルが発生した際に、落下による事故の範囲を限定したり、ドローンの紛失を防いだりすることが可能です。
係留の方法
ドローンを地表や、ビルの屋上などに設置された固定場所と、紐やワイヤーで結び付けます。
係留の種類
係留には、大きく2つの方法があります。
飛行の範囲や目的により使い分けます。
ドローンと固定地点を1本で繋ぐ係留
構造物等に沿って配置する主索と、ドローンを繋ぐ連結策の2本による係留
係留飛行に必要な機材と選び方
係留飛行を行うために必要な機材をしっかり選び、安全な飛行環境を整えましょう。
次に必要な機材の例を紹介します。
強度の高い紐やワイヤー
飛行中のドローンを固定するために、十分な強度を有する紐やワイヤーが必要です。
しなやかで固すぎず、重すぎないキャンプ用のロープも選択肢の一つとなります。
▶ キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) テントロープ
ドローンやおもりへ紐の結び方や取付については、釣り具やアウトドアのサイトを参考にしてみましょう。
ここではクリンチノットの結び方を紹介します。
クリンチノットは、強度が高く、結び目が小さく、結び方が簡単で信頼性が高いため、ドローンの係留飛行に適しています。
1. 糸の通しと折り返し:糸の先端を輪に通し、約10cmほど折り返す。
2. 巻き付け:折り返した糸をメインの糸に対して4~5回巻き付ける。
3. 糸の通し:巻き付けた後、糸の先端を最初にできた輪に通す。
4. 締め込み:結び目をゆっくりと締め込みます。この際、摩擦熱で強度が低下しないよう、結び目を湿らせてから締めると効果的です。
固定地点
地面やビルの屋上など、ドローンを安全に固定できる場所や、ドローンの飛ぶための力に負けない「重石」が必要です。
「重石」について、汎用品を活用するのもコスト面でメリットがあります。
係留装置
自動で紐のテンションを調節してくれる、専用の係留装置もあります。
これにより、紐の巻き込みや引っ掛かりが起きにくくなります。
プロの現場で活用されている係留装置は、「ドローンスパイダー」です。
株式会社空撮技研のドローンスパイダーは、ドローンの暴走防止と、安全性向上を目的とした係留装置です。
高速巻取り機能と精密な張力制御により、ドローンの自由な操縦を可能にしつつ、万が一の際には即座に機体を回収できま。
軽量コンパクトな設計や静音性も特徴です。
名称 | DS-005PRO/S 充電器セット |
販売価格 | 158,400円(税込) |
セット内容 | ・本体DS-005PRO/S ・リール ・試用バッテリー22.2v1個 ・充電器1台・取扱説明書 |
詳しくは、株式会社空撮技研のサイトで確認しましょう。
ドローンへの係留装置の取付動画も参考になります。
頻繁に使わないけど、係留装置を利用したいという人は、レンタルを利用する方法もあります。
係留装置を使うメリット・デメリットを比較検討
係留飛行のメリットとデメリットを比較することで、安全なドローン運用の理解が深まります。
両者をしっかり考慮し、最適な運用方法を見つけましょう。
メリット
安全性の向上
特定の範囲内でしか飛行できないため、観客など人や構造物の上空を誤って飛行するリスクを減らせます。
飛行範囲の制限
係留飛行により、ドローンが飛行範囲から出ることを防ぎ、人への落下や紛失のリスクを低減できます。
飛行許可申請の簡略化
特定の条件を満たすことで、一部の飛行許可申請を免除することが可能です。
詳細は、この後の「航空法における係留飛行の位置づけ」で解説します。
デメリット
飛行範囲の制限
係留飛行では、飛行範囲が物理的に制限されるため、自由に飛行することができません。
設置の手間
係留装置の設置や周囲の安全確保に手間がかかります。
さらにドローンの係留飛行を学んで、楽しく安全に飛ばせるようになりましょう!
ドローン係留の活用シーン!どんな場面で活躍?
インフラ点検からイベント空撮、災害対策まで、ドローン係留は私たちの社会生活の様々な場面で利用されています。
ここからは、具体的な活用シーンと、それぞれの現場でどのように課題解決に貢献するのかをご紹介します。
インフラ点検:橋梁・ダム・電力設備の空撮
ドローン係留は、建物や橋梁、ダムなどの構造物の点検に貢献します。
補助者の配置など、最低限の人員で省人化した点検が可能です。
また目視外飛行が多くなりがちな点検において、落下や操縦不能による暴走リスクを減らすことができます。
大規模施設の警備・監視システム
大規模な施設の警備や監視においても、ドローン係留は有効です。
特定の範囲内で飛行することで、施設の周囲を安全に監視することができます。
参考
セントラル警備保障株式会社は、
防災・警備向けの有線・無線ハイブリッドドローン「CSPEVOテザー」などの
新型ドローンの開発と販売を開始。(2024 年 12 月販売開始予定)
CSPEVO テザー | 有線給電式照明ドローン |
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ケーブル制御機能で、30mまでの係留飛行 バッテリー使用で無線飛行も可能 AC100Vの商用電源での運用も対応 長時間広域監視が可能 A-Mesh機能の中継機として長時間運用可能 | 緊急時に照明として使用可能 簡単なリモコン操作で、一人でも運用可能 震災や海難事故など、夜間の救難活動で多数の実績あり |
イベント空撮とライブ配信
スポーツ大会や、音楽イベントなどの会場上空で、空撮を行う際にも、ドローン係留が活用されます。
観客の頭上を飛行する行為は禁止されています。
事前にドローンと固定地点を繋ぐことで、定めた飛行範囲内での飛行が可能になります。
災害対策・救助活動での活用
災害対策や救助活動においても、ドローン係留は重要な役割を果たします。
特定の範囲内で飛行することで、被災区域の状況調査の際にドローンの事故による二次被害を軽減することが可能です。
参考
ソフトバンクと双葉電子工業は、災害時に迅速な携帯エリア復旧を目的に「有線給電ドローン無線中継システム」の実証実験に成功しました。
活用先がたくさんありますね。新たな可能性も広がります!
安全な係留飛行のための実践ガイド
ドローン係留でも、安全を第一にした運用が重要です。
係留装置の設置場所の選定から飛行前後のチェックリスト、万が一のトラブル発生時の対処法まで、安全な飛行のために必要な実践的な知識を紹介します。
係留装置の設置:場所選びと周囲への配慮
係留行う際には、慎重な場所選びと周囲への配慮が不可欠です。
人や車両の侵入経路を確認し、障害物の有無をチェックすることで、安全な飛行環境を整えます。
場所選び
人や車両などの侵入経路など確認し、飛行に関わらない第三者の立ち入りの可能性について調査します。
飛行経路に飛行の障害となるような構造物がないか確認します。
また、地面の荒れや石が転がっている場所では、紐の引っ掛かりを防ぐために注意が必要です。
周囲への配慮
飛行範囲に第三者が立ち入らないように、飛行範囲をカラーコーン又はロープや看板などで立入制限を設けます。
状況に応じて、補助者による監視も重要です。
緊急着陸地点の設定
万が一のトラブルを想定し、緊急着陸地点を設定しましょう。
飛行前後のチェックリスト
ドローンの安全な運用には、飛行前後の入念なチェックが欠かせません。
飛行の各段階でのチェックを徹底することで、事故やトラブルを未然に防ぎましょう。
飛行前
- 紐の接続状態を確認します。(絡まり・傷・緩みがないか)
- 周辺の障害物の有無をチェックします。(建物、木、電線など飛行に支障がないか)
- 風向きを確認します。(飛行に影響がないか)
飛行中
- 適切な飛行高度を維持します。(設定高度を超えていないか)
- 紐の取り回し状態を確認します。(緩み・あおり・巻き込み)
着陸時
- 紐の取り回し状態を確認します。(緩み・あおり・巻き込み)
- 着陸地点の安全を確認します。(人や物がいないか)
トラブル対処法:よくある問題と解決方法
ドローン飛行中のトラブルは、冷静な対応が重要です。
紐の絡まりや強風など、よくある問題に対処するためには、状況確認と適切な判断が求められます。
紐が絡まった時
- 急いで停止し、機体が安定した状態で紐の状況を確認します。
- ゆっくりとコントローラー操作して、紐の絡まりを解除します。
- 無理に飛行を継続せずに安全な場所へ着陸させます。
強風による影響
飛行中の風向きの変化に常に注意し、必要に応じて飛行を中止します。
緊急時
飛行時の想定外のトラブルなど、飛行が継続・制御できなくなった場合は、緊急略陸地点への着陸を試みます。
安全性を高めるためのガイドを共に学び、トラブルを未然に防ぎましょう!
係留飛行の法規制と申請手続き
ドローン係留を行うには、航空法の理解と遵守が不可欠です。
ここでは下記の内容を確認していきましょう。
- 係留飛行の位置付け
- 許可が必要なケース
- 申請手続きの流れ
わかりやすく解説し、安全で合法的な運用をサポートします。
航空法における係留飛行の位置づけ
ドローンの係留飛行は、航空法施行規則の一部改正により、特定の条件下で飛行許可申請を免除することが可能です。
許可承認申請免除の条件は以下のとおりです。
必要な措置
- 第三者の立ち入り制限
- 固定地点から30m以内の長さの係留
飛行場所や飛行方法
- DIDにおける飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 第三者から30m以内の飛行
- 物件投下
係留したからといって、「特定飛行」でなくなるわけではないことに注意が必要です。
飛行計画の通報・飛行日誌の作成は行いましょう。
特定飛行について確認したい人は、以下の記事を参考にしましょう。
▶︎ドローンのレベル飛行とカテゴリー飛行! 申請許可前に知っておくべきこと
申請が必要なケースと手続きの流れ
ドローンを係留飛行させても、飛行の場所や方法によって、申請が必要なケースがあります。
無許可の飛行とならないよう、以下の場合は注意しましょう。
申請が必要な飛行
- 空港等周辺の飛行
- 緊急用務空域の飛行
- 150m以上上空の飛行
- イベント上空での飛行
- 危険物輸送
自動車や航空機などの移動する物に繋いだドローンの飛行は、係留には該当しません。
また、人が紐などを持ちながら移動し飛行させる行為も同様です。
申請手続き
申請が必要な飛行の場合は、国土交通省の規定に従って申請手続きを行います。
飛行リスクの判定をする(簡易カテゴリ判定)
飛行概要・飛行詳細を入力する
飛行機体・操縦者を選択する
申請書を提出する
具体的な手続きの流れは、以下の記事で確認できます。
▶︎驚きの時間節約!ドローンの包括申請vs個別申請、スマートな選び方
安全基準と遵守事項
飛行許可申請が不要な飛行でも、ルールに沿わない場合は注意が必要です。
誤った飛行は未申請と同じ扱いとなります。
安全基準
飛行範囲内の立入制限を行い、飛行中の安全を確保するための措置を講じます。
例えば、看板やコーンを配置し、飛行経路下へ人が立ち入れないようにします。
遵守事項
係留飛行における注意事項を遵守しましょう。
トラブルが発生した際には、適切に対処します。
- 30m以内の長さの係留
- 紐の接続状態を確認
- 周辺の障害物の有無をチェック
- 風向きを確認
運用のためのポイントは把握できましたか?安全にドローンを楽しむ準備を整えましょう!
まとめ:係留飛行で広がるドローンの可能性
ドローン係留飛行を正しく行えば、安全性と効率性を兼ね備えた飛行が可能です。
係留は、様々な業務や活動において大きな役割を果たします。
インフラ点検、イベント空撮、災害対策など、多様なシーンで活躍し、飛行許可申請の簡略化も可能です。
安全な飛行を実現するために、係留装置の設置や飛行前後のチェック、法規制の遵守が重要です。
ドローンの技術が進化する中で、係留飛行はさらに広範な分野で利用されることが期待されます。