ドローン事故と重大インシデント!報告例から学び信頼ある安全運航につなげる

基礎知識
  • ドローンの事故はどんなものがあるの?
  • 何故?ドローンが墜落したの?
  • 事故を起こしたくないから、対処方法を知りたい。

「事故は絶対に起こしたくない」と、この記事を読み始めたあなたもそう思っていませんか?

事故を起こさないためにも、知識や経験が必要です。

あなたは今、ドローンの事故や重大インシデントについて、勉強している素晴らしいドローン操縦者。

この記事では、国土交通省から公表されている無人航空機に係る事故等報告一覧を、独自に分析した内容を紹介します。

報告一覧を分析すると、事故の原因に共通する要因がありました。

共通の要因を理解して、事故を起こさない安全飛行を目指しましょう。

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ドローン事故や重大インシデントは、定義が決まっている

まずはドローンの事故や重大インシデントは定義が決まっているので、定義から紹介します。

ドローンの事故と重大インシデントの定義については、「理解できているよ」って人は、ここをクリックして下さい。ドローン事故原因ランキングの記事に移動します。

定義が決まっているので、ドローンが事故を起こしてしまった場合は、国土交通大臣への報告が必要です。

ドローンの事故の定義

  • 無人航空機による人の死傷(重症以上の場合)
  • 第三者の所有する物件の損壊
  • 航空機との衝突または接触

重大インシデントの定義

  • 無人航空機による人の負傷
  • 無人航空機の制御が不能となった事態
  • 無人航空機が飛行中に発火
  • 航空機との衝突または接触の恐れがあったと認めた時

事故を起こしてしまった場合の対処方法

事故や重大インシデントが発生した場合は、すぐに飛行を中止させます。

負傷者の救護や、二次被害ができないように注意が必要です。

特に、事故を起こすと、心理的に動揺している状態になります。

動揺していると視野も狭くなり、回転しているプロペラに手を出してしまい、二次被害は発生するケースも多いようです。

まずは落ち着いて、下記に該当する場合は関係各所へ連絡をしましょう。

  • 怪我をした人がいる場合は、救急と警察に連絡
  • 墜落によりドローンが発火した場合は、消防に連絡

ドローンを飛ばす前に、管轄の警察署や消防署の連絡先や場所の把握も重要です。

連絡後は、事故が発生した状況などをメモにまとめておきましょう。

事故やインシデントが起きた時は報告は必要

万が一、ドローンで事故や重大インシデントが発生した場合は、速やかに国土交通大臣へ報告が必要です。

報告方法は、ドローン情報基盤システムのDIPS2.0の「事故等報告機能」より速やかに実施します。

DIPS2.0の航空法に基づく無人航空機関係手続きの一覧の中に、無人航空機に関する事故等発生時の手続きのメニューがあるので、確認してみましょう。

もし事故を起こして、報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりすると、懲役また罰金になりますので報告が必要です。

報告しなかった場合

  • 事故等の報告をしない又は虚偽の報告を行った場合、航空法第157条の10第2項に従い、30万円以下の罰金が科せられます。
  • 負傷者の救護など危険を防止するために必要な措置を講じない場合、航空法第157条の6に従い、2年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科せられます。

引用元:国土交通省

ドローン事故の原因ランキングTOP3

ここから国土交通省から公表されている無人航空機に係る事故等報告一覧から、事故原因の分析したので紹介します。

事故原因がわかっていれば、対処もわかる。

ぜひ、ドローンの安全運行を参考にしてもらえればと思います。

事故の情報は、国土交通省から発表されている無人航空機に係る事故等報告一覧(令和4年12月5日以降に報告のあったもの)を参考にしています。

  • 1位:機体トラブルで制御不能に…
  • 2位:操作ミスで墜落…
  • 3位:予期せぬ強風で…

それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

1位:機体トラブルで制御不能に

機体が制御できなくなる事案が多数、報告されていました。

高度を上げる時や、旋回する時に機体の回転が止まらなくなった事案が多いです。

特に、事案の内容に原因が記載されていないので、本当の原因は不明です。

前回の飛行で全く問題なかったとしても、整備不良により制御不能になる可能性があります。

日頃の点検の重要性を認識させられますね

2位:操作ミスで墜落

操作ミスは、操縦者の技量や経験が問題の可能性もあります。

ドローンを飛ばしている時は、常に操作ミスのリスクがついてきます。

ドローンが飛んでいる場合は、常に危険と隣り合わせと思いながら飛行した方が安全に飛ばせるでしょう。

目視での操作や一人での操作に限界があります。

その限界を超えると、操作ミスでの墜落に繋がると言っても過言でないでしょう。

操作ミスを防ぐためにも、補助者を立てることが重要です。

もちろん補助者もドローンの知識や経験が必須になります。

ドローンを知っている人でないと、何が危険でそうでないか、わからないですよね?

3位:予期せぬ強風で…

天候の急な変化によって、墜落するケースです。

ドローン飛行中の突風に対応するのは、非常に難しいでしょう。

飛行前に、天気予報や天気図を確認して突風が吹きそうな場合は、飛行させない決断も重要です。

また補助者にも風力計を持ってもらい、風の強さも確認してもらいます。

風が強くなってきて着陸ができない場合は、落下地点周辺に何もない場所で待機させる判断も大切です。

風によるリスクの判断も重要になります。

ドローンを自然の中で飛ばさせてもらっている。自然の脅威は怖いですね?

事故発生! そこには共通点があった!?

航空法や飛行マニュアルで決められていることを確実に実施していても、墜落のリスクを0%にすることは難しいです。

飛行前にドローンの状態をチェックして、壊れている部分がないか確認しましょう。

また、飛行する場所の天気や周りの様子を事前に調べておくことも重要です。

さらに、どこをどのように飛ぶのか、飛行プランを立てておけば、より安全にドローンを飛ばせるでしょう。

点検や入念な計画に加えて補助者をしっかり立てることにより、事故の可能性を減らせます。

事故の発生状況や、事故の発生原因がわかれば、対処が可能ですね。

飛行マニュアルにしっかり点検内容が記載されている理由がわかれば、あなたもドローンの点検を積極的に実施するようになるはずです。

事故を防ぐための鉄則

ドローンは空撮や測量など、様々な可能性を秘めたツールですが、一歩間違えれば事故に繋がりかねない危険性も孕んでいます。

周囲の人々の安全を守るためだったり、ドローンを安心して楽しんだりするためには、「航空法規の遵守」と「安全運航の意識」が何よりも重要です。

この章では、必ず知っておくべき航空法規の基礎知識と、安全運航のための鉄則を分かりやすく解説していきます。

【知らないと危険!】航空法規の基本を解説

ドローンは航空法やその他法律・条例で厳しく規制されており、違反すると罰則が科せられます。

無許可で飛行させることはもちろん禁止されています。

許可を得ていても飛行方法によっては、違反になる場合もあるので注意が必要です。

重要なポイントは以下の通りです。

機体重量による区分

ドローンは重量によって規制内容が変わります。

100g未満のドローンは比較的規制が緩和されています。

100g以上のドローンを飛行させる場合は、航空法の規制対象となり、様々なルールに従う必要があります。

POINT
1

飛行禁止空域

空港周辺や人口密集地などの空域では、ドローンの飛行が原則として禁止されています。

飛行前に必ず確認しましょう。

STEP
2

飛行方法の制限

高度150m以上、イベント会場上空、夜間飛行、目視外飛行など、飛行方法に制限があります。

これらの飛行を行う場合は、国土交通大臣の許可・承認が必要です。

STEP
3

許可なしでドローンを飛ばせる場所、飛ばせない場所

ドローンを飛行させる場所選びは、安全確保のために非常に重要です。

飛ばせる場所

  • 私有地:土地所有者の許可を得ている場合
  • ドローン飛行場: 安全対策が施された専用の飛行場
  • 海や河川:管理事務所に許可や報告が必要ですが、比較的簡単に飛ばせる。

万が一ドローンが墜落しても、被害が少ない場所は許可なしでも飛ばせる場所はあります。

許可なしで飛ばせる条件の1つとして、他の人の建物や物件が30m以内にないことが条件です。

住宅街だと私有地でもドローンを飛ばせません。

許可なし飛ばせない場所 (飛行禁止空域)

  • 空港周辺:航空機の離着陸に危険を及ぼす可能性があるため
  • 人口密集地:墜落時の危険性が高いエリア
  • 高度150m以上の上空
  • 重要施設周辺: 発電所や政府機関など
  • その他:学校、病院、道路上など

ドローンの飛行許可に関しては、別の記事で詳しく解説をしています。

ドローンの飛行許可を取得して、もっとドローンを楽しみたい人はぜひ確認してみて下さい。

▶︎【失敗しない】ドローン撮影許可申請で注意すべき8つのポイント

飛行許可申請って必要? 申請手順を分かりやすく解説

飛行禁止空域でドローンを飛行させる場合は、目的や飛行方法に応じて、国土交通大臣の許可・承認を得る必要があります。

許可・承認を得るひとつの方法に包括申請があります。

ドローンの包括申請とは、飛行場所・日時や目的ごとに許可を取る手間を省き、より自由にドローンを飛行させるための申請のことです。

包括申請の手順

ここでは簡単に包括申請の手続きを以下で紹介します。

申請書類の準備

機体情報、安全対策などを記載した書類を用意

STEP
1

DIPS2.0(ドローン情報共有システム)への登録

オンラインシステム「DIPS2.0」に必要事項を登録します。

STEP
2

申請書類の提出

DIPS2.0を通じて、国土交通大臣に申請書類を提出します。

STEP
3

審査

国土交通省による審査が行われます。

STEP
4

許可・承認:

審査を通過すると、飛行許可・承認が下り、指定された期間・条件で飛行が可能になります。

STEP
5

詳しい包括申請の方法は、ほかの記事で細かく紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

▶︎ ドローン活用を加速!包括申請の完全ガイド

【義務化?】ドローン登録制度を理解しよう

2022年6月20日から、機体重量100g以上のドローンを飛行させるためには、機体の登録と所有者の登録が義務化されました。

これは、ドローンによる事故や違法行為を防止し、安全な航空環境を確保するための重要な制度です。

登録手続きはオンラインで行うことができ、国土交通省のウェブサイトから申請できます。

機体登録に関しても詳しく紹介した記事があるので、機体登録をまだやっていない人や機体登録の方法を知りたい人はこちらの記事も参考にしてみて下さい。

▶︎【義務化】ドローンの機体登録とは?必要性と手順を詳しく解説!

事故を起こしたらどうなる? 責任と罰則は?

万が一、ドローンを飛行させて事故を起こした場合、操縦者には民事責任と刑事責任が発生する可能性があります。

民事責任墜落などで他人に怪我をさせたり、物を壊したりした場合、
損害賠償責任を負うことになります。
刑事責任航空法違反や業務上過失致傷などの罪に問われ、
罰金刑や懲役刑が科せられる可能性があります。

ドローンを飛行させる際には、常に安全に配慮し、事故を起こさないよう細心の注意を払う必要があります。

航空法に違反した場合は、罰金や懲役刑もあります。

遊びや練習だと思っても、しっかりと航空法を守りましょう!

事故ゼロを目指して! 安全運航チェックリスト

ドローンを安全に飛行させるために、飛行前には必ず以下のチェックリストを確認しましょう。

点検項目点検内容チェック
機体点検バッテリー残量、プロペラ破損、センサー異常など、
機体に異常がないか確認
✔️
気象条件の確認風速、雨、霧などの気象条件が飛行に
適しているか確認
✔️
周辺環境の確認周囲に電線、建物、人、動物などが無いか確認✔️
飛行計画の確認飛行ルート、高度、時間などを事前に計画し、関係者と共有✔️
安全装置の確認:緊急停止装置やフェールセーフ機能が正常に動作するか確認✔️

これらのチェックを怠ると重大な事故に繋がる可能性もあることを、常に意識し安全運航を心がけましょう。

実は、このチェックリストはドローン国家資格の口述試験を参考にしています。

試験に出題されるくらいドローンを飛行させるにあたり重要な項目です。

機体の点検に関しては、別の記事でより詳しく紹介しています。

「機体の飛行前の点検?何をすればいいの?」と疑問に感じている人はぜひ下記の記事も読んで下さい。

▶︎ ドローン飛行前点検は出来ている?チェックすべき項目を紹介!

ドローン保険:もしもの時の備え

「ドローンは安全に飛ばせば大丈夫!」

そう思っていても、予期せぬアクシデントは起こる可能性があります。

例えば…

  • 操縦ミスで墜落させてしまい、通行人に怪我をさせてしまった…
  • 強風でドローンが流され、 止まっている車 に衝突、傷つけてしまった…

このような場合、高額な損害賠償責任を負う可能性もあります。

そこで重要なのが「ドローン保険」の存在です。

ドローン保険って必要? 加入するメリットとは

ドローン保険は、ドローンの飛行中に発生した事故によって、他人に怪我をさせたり、他人の財産に損害を与えてしまった場合に備えるための保険です。

法律で加入が義務付けられているわけではありませんが、万が一の際に備え、加入しておくことを強くおすすめします。

ドローン保険に加入する主なメリットは以下の通りです。

高額な損害賠償責任に備えられる

事故の内容によっては、数百万、数千万円といった高額な賠償金が発生するケースも。

保険に加入していれば、経済的な負担を大幅に軽減できます。

メリット
1

精神的な不安を軽減できる

保険に入っているという安心感があれば、よりドローン飛行を楽しめます。

STEP
2

スムーズな事故対応

保険会社が事故対応をサポートしてくれるため、事故発生時の精神的な負担や手続きの負担を軽減できます。

STEP
3

自動車ほけんと同じような感覚を持ってもらえれば、わかりやすいと思います。

ドローンも人に怪我をさせたり、他の人の物を壊したりしてしまう場合もあるので、保険は必須です。

【種類別】ドローン保険を徹底比較! あなたに最適な保険は?

ドローン保険には、様々な種類があり、補償内容や保険料も異なります。主な種類は以下の通りです。

賠償責任保険

ドローンの飛行によって他人に怪我をさせたり、他人の財産に損害を与えてしまった場合の損害賠償責任を補償します。

多くのドローン保険に含まれており、必須の補償内容と言えるでしょう。

機体保険

ドローン本体の損壊や故障を補償します。

落下や衝突など、予期せぬ事故による機体の損害をカバーしてくれます。

それぞれの保険には、さらに細かな補償内容や特約があります。

例えば、賠償責任保険でも、対人賠償と対物賠償の上限金額が異なる場合や、ドローンを業務利用する場合に備える業務使用特約などがあります。

自分に必要な補償内容や保険料を比較検討し、最適な保険を選びましょう。

保険の選び方に関して、別の記事で詳しく紹介しています。

「ドローンの保険をどうしよう」と思っている人はぜひ参考にしてみて下さい。

▶︎ドローン事故のリスクと保険の重要性!安心して飛ばすドローン保険ガイド

安全運航が顧客からの信頼獲得に繋がる

ドローンは、新しい技術です。

安全性の観点からまだまだ不安を抱えている人は多いです。

特に、自治体が絡む事業の場合は、安全に対する意識は非常に高くなります。

安全への取り組みや、事故に関する対策が、業者選定で重要な判断基準となっているようです。

顧客に安心してドローン業務を依頼してもらうためにも、安全運航を徹底し、その実績のアピールが重要です。

事故リスクを最小限に抑える! ビジネスオペレーション構築術

安全運航を実現するためには、日々の業務フローの中に、安全対策を取り込んだオペレーションを構築することが不可欠です。

  • 飛行前の点検の徹底:機体の状態、バッテリー残量、センターの類の動作などを飛行前に必ずチェックし、異常があれば飛行を中止する
  • 気象条件の確認:風、雨、霧などの気象条件を事前に把握し、飛行可否を判断する
  • 飛行空域の安全確認:飛行区域周辺の障害物、電線、第三者の立入などを事前に確認し、安全の確保する
  • 緊急事の対応手順:万が一、機体に異常が発生した場合の緊急時対応手順をマニュアルかし、パイロットや補助者が適切な対応を取れるように準備する

安全への対策は、しっかり発注者に提示できるように、準備をしておきましょう。

【仲間と繋がる】ドローンパイロットコミュニティのススメ

ドローン業界は日進月歩で進化して、常に最新の技術や情報を入手できることが重要です。

コミュニティーに所属すると、下記の活動がスムーズにできるようになります。

情報交換最新情報や法規制の情報、安全運航に関するノウハウなどを共有することで、スキルアップに繋げられます
相談相手トラブル発生時や、新たなビジネス展開を検討する際に、経験豊富なパイロットからアドバイスをもらえます。
ビジネスチャンスコミュニテイを通じて、同じドローンビジネスを展開している人から仕事をもらえたり、プロジェクトに参加できたりして、ビジネスチャンスが広がります。

一人で抱え込まずに、積極的にコミュニティに参加することで、より安全で質の高いドローンビジネスを進めていけるでしょう。

そんなドローンコミュニティがあるのと?思う人もいるでしょう。

ドロビジであれば、オススメの条件が全て揃っています。

まとめ:安全運航で夢を叶えよう!

ここまで、ドローンビジネスに欠かせない「安全運航」について、具体的な知識やノウハウを交えながら解説してきました。

ドローンは、従来の手法では難しかった業務を効率化したり、新しい価値を生み出す可能性を秘めた、まさに「夢」を実現できるツールです。

その一方で、一歩間違えれば重大な事故に繋がりかねないという現実も忘れてはなりません。

ドローンビジネスに挑戦するあなたは、これまで培ってきた責任感や経験値を活かし、安全を第一に考え行動することができます。

  • 常に最新の情報収集を心がけ、航空法規を遵守しましょう。
  • 事故のリスクを想定し、未然に防ぐための対策を徹底しましょう。
  • 万が一に備え、ドローン保険への加入を検討しましょう。
  • 他のパイロットと情報交換し、安全運航の意識を高め合いましょう。

安全運航は、顧客からの信頼獲得、ブランドイメージの向上、ひいてはビジネスの成功へと繋がっていきます。

あなたも、安全運航を徹底することで、ドローンという「夢」を「現実」へと変え、社会に貢献できるビジネスを築き上げていきましょう!

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