ドローン飛行を安全に!バッテリーの種類と管理法を徹底解説
リチウムバッテリーは、ドローンからスマートフォン、ワイヤレスイヤフォン、電動工具、EVカーまで、その用途は非常に多岐にわたります。
現代社会は、バッテリーを内蔵した製品で溢れていますね。
スマホのバッテリーの爆発して、ケガをしたというニュースなどを聞くと、自分のドローンは大丈夫かな?と心配になったりします。
そんな中で、ドローン用バッテリーについて、以下のような疑問を持ったことはありませんか?
- ドローン用バッテリーに種類はあるのかな?
- バッテリーの取り扱いに、注意がすべき事は?
- バッテリーの保管方法はどうればいいの?
身近に存在するバッテリーですが、意外と知られていないことも多いものです。
この記事では、あなたの疑問や不安を解消して、ドローンのバッテリーを正しく使用、管理、保管する方法を紹介します。
バッテリーに関する知識が足りていない人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
身近にあるバッテリーですが、使い方以外は、知らない事が多いですよね。
この記事でしっかり学びましょう!
- 1. ドローン用バッテリーの種類
- 1.1. リチウムバッテリー2種類の違い
- 1.2. リチウムイオンバッテリーの特徴
- 1.3. リチウムポリマーバッテリー
- 2. ドローンのバッテリーの注意点
- 2.1. 充電する時の注意点
- 2.1.1. 専用の充電器を使用する
- 2.1.2. 適切な環境で充電する
- 2.1.3. 充電中の監視
- 2.2. 保管する時の注意点
- 2.2.1. 適切な充電状態で保管
- 2.2.2. 冷暗所で保管
- 2.2.3. 定期的なチェック
- 2.3. 廃棄する時の注意点
- 2.3.1. 完全に放電する
- 2.3.2. 専門の廃棄施設を利用する
- 2.3.3. 安全な梱包
- 3. ドローンを飛ばす時のバッテリーの注意点
- 3.1. 気温が低い時は注意が必要
- 3.1.1. バッテリーの暖気
- 3.1.2. 短い飛行時間
- 3.1.3. 飛行後のケア
- 3.2. バッテリーを落下させた場合は使用しない
- 3.2.1. 外観のチェック
- 3.2.2. 内部損傷のリスク
- 3.2.3. 廃棄の手続き
- 3.3. 飛行前にバッテリー容量は確認する
- 4. ドローンのバッテリーでトラブルが発生した時の対処方法
- 4.1. ドローンのバッテリーが劣化した時
- 4.1.1. バッテリーのチェック
- 4.1.2. 充放電サイクルの実施
- 4.1.3. 新しいバッテリーの購入
- 4.2. ドローンのバッテリーが膨張している時
- 4.2.1. 使用を直ちに中止
- 4.2.2. 新しいバッテリーの準備
- 4.3. ドローンのバッテリーが発火・爆発した時
- 4.3.1. 安全を確保
- 4.3.2. 消火活動
- 4.3.3. 被害の確認と報告
- 5. まとめ
ドローン用バッテリーの種類
ドローンの飛行を支える重要な要素の一つが、バッテリーです。
主に使用されているバッテリーは、以下の2種類です。
- リチウムイオンバッテリー
- リチウムポリマーバッテリー
この二つのバッテリーは、どちらも正極と負極の間で、リチウムイオンが移動し電流を生み出すという、同じ原理で構成されています。
では、それぞれの特徴を紹介します。
リチウムバッテリー2種類の違い
ドローンのバッテリーとして、一般的に使用されるリチウムイオンバッテリーと、リチウムポリマーバッテリーは、それぞれ異なる特性を持っています。
違いを次の表で確認しましょう。
比較項目 | リチウムイオンバッテリー | リチウムポリマーバッテリー |
電解質 | 液体 | 固体(ポリマー) |
形状・外装 | 主に円筒形・金属ケース | 主に板状(薄型)・ラミネートフィルム |
安全性 | 液体電解質を使用しているため、液漏れ・発火・爆発のリスクに注意 | 外装が裂けると、発生したガスが外に出るため注意 |
基本的な機能は同じ。
細かく見ると相違点があるので違いをみていきましょう!
リチウムイオンバッテリーの特徴
リチウムイオン電池についての主なポイントを以下にまとめます。
小さくてパワフル
他の充電池(鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池など)と比べて、同じサイズでも、高い電圧を出力でき、小さくてもパワフル。
充電・放電の繰り返しに強い
化学反応を利用せず電極の劣化が少ないため、充電や放電の繰り返しに非常に強い。
急速充電が可能
充電器側で充電終了判定ができ、急速充電が実現可能となった。
身近な例だと、スマートフォンや、ノートパソコン、電気自動車のバッテリーにリチウムイオンバッテリーが使われています。
リチウムポリマーバッテリー
リチウムポリマーバッテリーの主な特徴は以下の通りです。
高エネルギー密度
同じ重さの他のリチウムイオンバッテリーより、多くのエネルギーを蓄られます。
形状の自由度
ラミネートフィルムの外装を使用しており、薄型で製品に合った形状を製造可能。
液漏れリスクの低減
バッテリーを構成する電解質が、ゲル状態であるため、液漏れしない。
ドローンのバッテリーの多くがリチウムポリマーバッテリーが使われています。
他には、医療機器などにもこのバッテリーが使われているようです。
ドローンのバッテリーの注意点
バッテリーは、ドローンの動力源であり、その性能や寿命に大きく影響します。
適切な管理を怠ると、飛行中に突然電力が切れて、墜落する危険性もあります。
ここでは、バッテリーに関する基本的な注意点を紹介します。
充電する時の注意点
バッテリーの充電時には、重要なポイント3つあります。
- 専用の充電器を使用する
- 適切な環境で充電する
- 充電中の監視
それぞれのポイント中身を見ていきましょう!
専用の充電器を使用する
バッテリーは、専用の充電器の利用が基本です。
互換性のない充電器を使用すると、過充電や過熱の原因となり、バッテリーの劣化や破損を引き起こします。
適切な環境で充電する
バッテリーを充電する際には、涼しく乾燥した場所を選びましょう。
直射日光が当たる場所や、高温多湿な環境では、バッテリーの温度が、上昇し劣化の原因となります。
充電中の監視
充電中は、バッテリーを放置せず、充電状況をチェックするなど、配慮が必要です。
特にリチウムポリマーバッテリーは、過充電や過熱が発生しやすいため、異常が見られた場合はすぐに充電を中止しましょう。
保管する時の注意点
バッテリーを長期間使用しない場合や、シーズンオフなどで保管する際には、以下のポイントに注意してください。
- 適切な充電状態で保管
- 冷暗所で保管
- 定期的なチェック
それぞれのポイント確認していきましょう!
適切な充電状態で保管
バッテリーの長期間保管には、完全に充電や放電した状態にしないようにしましょう。
これは、バッテリーの重要な構成要素である、セルの劣化を最小限に抑えるためです。
理想的な保管充電量は50%程度です。
冷暗所で保管
バッテリーは、直射日光を避け、涼しく乾燥した場所で保管してください。
高温多湿な場所は、バッテリーの劣化を促進します。
理想的な保管温度は22~28℃です。
難燃性のバッテリー保管バックに入れて保管しましょう。
以下は、一例です。あなたに合った容量のバックを探してみましょう!
定期的なチェック
長期間保管しているバッテリーは、定期的に充電状態をチェックし、必要に応じて50%程度まで充電を行いましょう。
DJIのドローンであれば、バッテリーについているボタンで確認ができます。
ライトがつく箇所が4つあるので、2つ点灯すれば、残量が50%程度だと確認可能です。
廃棄する時の注意点
バッテリーが、劣化して使用できなくなった場合は、適切な方法で廃棄が必要です。
ドローンのバッテリーは、特別な取り扱いが求められます。
廃棄する際に、ポイントは
- 完全に放電する
- 専門の廃棄施設を利用する
- 安全な梱包
それぞれの内容について、下記にて紹介します。
完全に放電する
廃棄する前に、バッテリーを完全に放電しましょう。
バッテリー内部に残るエネルギーによる火災や爆発のリスクを防ぐためです。
放電の方法は、バッテリーを本体にセットし、電源を入れた状態でエネルギーを消費させる方法が推奨されます。
バッテリー充電器の仕様により、放電機能を備えた製品もあります。
専門の廃棄施設を利用する
バッテリーは、通常の家庭ゴミとして廃棄してはいけません。
各自治体で指定された廃棄方法があるため、あなたがお住いの自治体サイトや、環境局などで確認しましょう。
▶︎【参考資料】東京都リチウムイオン電池のゴミ分別の呼びかけ
市区町村のリサイクルセンターや、バッテリーの回収を行っている店舗に持ち込んでください。
安全な梱包
廃棄する際には、絶縁テープでバッテリーの端子部分を覆い、安全な容器に入れて持ち運びましょう。
絶縁等の処置で、輸送中のショートや漏電を防ぐぎます。
今まで、なんて危険な取り扱いをしてたんだろう、、、
これからは、学んだ事をしっかり実行するぞ!
ドローンを飛ばす時のバッテリーの注意点
ドローンの飛行には、安全かつ快適な飛行を実現する、いくつかの重要な注意点があります。
特にバッテリーのトラブルは、飛行計画に影響を及ぼすため、理解しましょう。
以下に、具体的な飛行時の注意点を3つ紹介します。
- 気温が低い時は注意が必要
- 落下したバッテリーは使用しない
- 飛行前にバッテリーの容量を確認する
飛行中にバッテリーが発火したら怖いですね!
注意点をしっかり理解していきましょう
気温が低い時は注意が必要
気温が低い環境では、バッテリーの性能が低下しやすいため、以下の点に注意しましょう。
- バッテリー温度
- 飛行可能時間
- 飛行後の管理
バッテリーの暖気
気温が20℃以下の場合、飛行前にバッテリーを暖めておくことが重要です。
寒冷地では、バッテリーをポケットや移動車両の中で暖め、飛行中の急激な電圧低下を防ぎます。
バッテリーの保温を怠ると、電流の供給能力が低下して、最悪の場合は墜落に繋がります。
短い飛行時間
低温環境では、バッテリーの持ちが悪く、飛行時間が通常よりも短くなります。
飛行計画を短めに設定し、バッテリー残量に注意して、早めの着陸を心がけましょう。
飛行後のケア
飛行後、冷えたバッテリーは、すぐに暖かい場所に戻さないようにしてください。
急激な温度変化は、バッテリーに負担をかけ、劣化を早める原因です。
早める原因は、温度変化によって、電解質の体積が膨張と収縮を繰り返します。
この繰り返しが、電解質の化学構造を破壊し、劣化を促進します。
バッテリーを落下させた場合は使用しない
バッテリーは、精密な部品であり、衝撃に弱い特性があります。
誤って落下させてしまった場合には、次の点に注意してください。
外観のチェック
落下後にバッテリーの外観を確認し、傷や変形がないか調べます。
目に見える損傷がある場合は、使用を中止してください。
バッテリー内部の損傷や、電解液の漏洩が、発火に繋がります。
内部損傷のリスク
見た目に異常がなくても、内部に損傷がある可能性があります。
安全のため、落下したバッテリーは再使用せず、メーカーに検査を依頼するか、新しいバッテリーを使用しましょう。
DJIは保証期間内(12ヶ月)の場合、オンライン修理受付サービスを利用して、アフターサービスを申請できます。
DJI製品をお使いの人は、以下のヘルプセンターを確認してみましょう。
廃棄の手続き
落下による損傷が疑われるバッテリーは、安全に廃棄する必要があります。
専門の廃棄施設に持ち込み、適切に処理してください。
飛行前にバッテリー容量は確認する
飛行の安全の確保には、バッテリー容量の確認が欠かせません。
飛行前には、以下のステップを踏みましょう。
フル充電の確認
飛行前にバッテリーが、フル充電されていることを確認します。
充電状態が不十分な場合、重要な飛行にも関わらず、バッテリーが切れてしまうリスクが高まります。
残量のチェック
ドローンのアプリや、コントローラーを使用して、バッテリー残量を確認します。
特に長時間の飛行や、遠距離の飛行を計画している場合は、十分な残量があるか確認してください。
合わせて、バッテリーの電圧もチェックし、異常がないか点検します。
予備バッテリーの準備
飛行中にバッテリーが切れた場合に備えて、飛行予定時間以上の予備バッテリーを用意しておきましょう。
バッテリーのトラブルにより、予定通りのフライトが、できない場合があります。
飛ばす段階でも、確認事項がたくさんありますね?
安全のためには、もれなく実施です!
ドローンのバッテリーでトラブルが発生した時の対処方法
ドローンのバッテリーは、ドローンの性能や、安全性に大きく影響を与える重要な部品です。
しかし、使用頻度や保管方法によっては、トラブルも避けられません。
ここでは、ドローンのバッテリーに関する主なトラブルと、その対処方法について説明します。
ドローンのバッテリーが劣化した時
バッテリーの劣化は、使用回数や経年劣化によって避けられない問題です。
劣化したバッテリーは、飛行時間が短くなる、充電がうまくいかない、バッテリーの持ちが悪くなるなどの症状が現れます。
以下の対処方法を試してみてください。
バッテリーのチェック
劣化が疑われるバッテリーは、まず外観を確認します。
目立った傷や、膨張など変形がないか、確認しましょう。
作動時、コントローラに使用中止など、アラートが表示された場合は、その指示に従ってください。
バッテリーのチェックは、ドローン国家資格の口述試験の中にもしっかり登場します。
バッテリーのチェックを怠ると、口述試験の減点となるので、それくらい重要です。
▶︎【対策必須】ドローン国家資格の実技試験内容は?注意するべきポイント!
充放電サイクルの実施
バッテリーが正しく動作するか、完全放電と完全充電を数回繰り返してみます。
これで一時的にバッテリーの性能が、回復することがあります。
新しいバッテリーの購入
劣化が進んでいる場合は、新しいバッテリーの買い替えを検討しましょう。
特に、飛行時間が著しく短くなった場合や、充電が正常に行われない場合は交換が必要です。
ドローンのバッテリーが膨張している時
バッテリーが膨張するのは、内部の化学反応が異常を起こしている証拠です。
膨張したバッテリーは非常に危険で、適切な対処が求められます。
使用を直ちに中止
膨張したバッテリーは、すぐに使用を中止し、安全な場所に保管します。
「廃棄する時の注意点」を参考にして、適切な廃棄方法を確認しましょう。
新しいバッテリーの準備
膨張したバッテリーは、再使用しないようにし、新しいバッテリーを準備します。
バッテリーの保管や、使用方法を見直し、再発防止に努めましょう。
ドローンのバッテリーが発火・爆発した時
バッテリーの発火や爆発は、最も深刻なトラブル。
このような事態に直面した場合、迅速かつ適切な対応が必要です。
特にドローンが飛行中にバッテリーが発火した場合は、重大インシデントに該当するので、国土交通大臣へ報告が必要になります。
安全を確保
自分自身と、周囲の人の安全を確保します。
発火や爆発が起きた場合、すぐにその場から離れ、安全な距離を取ります。
消火活動
小さな火であれば、消火器(特にリチウムバッテリー対応のもの)を使用して火を消します。
水で消火しないよう注意してください。
大規模な火災の場合は、速やかに消防署に連絡します。
被害の確認と報告
火が収まった後、被害状況を確認し、必要に応じて関係機関に報告します。
購入して間もない製品の場合は、ドローンの製造元にも連絡し、バッテリーの問題について、情報を提供することが重要です。
加えて飛行中に発火した場合は、国土交通大臣への報告も忘れずに実施しましょう。
トラブルの時こそ落ち着いて。学んだことを思い出そう!
まとめ
今回は、ドロ-ンのバッテリーについて紹介しました。
- ドローン用バッテリーの種類
- ドローンのバッテリーの注意点
- ドローンを飛ばす時の注意点
- ドローンのバッテリーでトラブルが発生した時の対処方法
ドロンのバッテリーは、次の3つに注意すれば、トラブルを未然に防げます。
- 使用前のチェック
- 正しい充電方法
- 安全な保管
日頃から、機体と共にバッテリーの適切な管理を行い、安全にドローンを楽しみましょう。