ドローン国家資格の一等無人航空機操縦士の資格概要をわかりやすく解説
ドローンの国家資格制度を調べてこんな疑問を持ってませんか?
- 一等を取ったら何ができるの?
- 国家資格がないと飛ばせないの?
- 取るなら二等より一等がいいんでしょ?
当サイトはドローン国家資格の情報を発信しているので、国家資格の取得を目指す人からたくさんの問い合わせをもらいます。
この記事では一等資格にフォーカスして、あなたが一等資格を取得するべきかどうかを明確にしていきたいと思います。
間違った理解で一等を目指して全く資格を活用できないで、損している人もみてきました。
あなたには損をしてほしくないので、必ず最後まで読んで、一等資格についての理解を深めてください。
この記事で解消される悩み
- 一等資格の難易度
- 一等資格でできること
- 一等資格を目指すべきか
- 1. ドローン国家資格とは、操縦者の技能証明
- 1.1. ドローン国家資格は一等資格と二等資格がある
- 1.2. 一等資格と二等資格の違いは?
- 1.3. どんな人が一等資格の取得を目指すべきか?
- 2. 一等ドローン国家資格の難易度
- 2.1. 学科試験の内容
- 2.2. 実地試験の内容
- 2.3. 一等試験の合格者数
- 2.4. 一等実地試験の合格点数
- 2.5. これをすると一発不合格
- 3. 一等国家資格取得までの費用
- 3.1. スクールに通った場合
- 3.2. 独学の場合
- 4. 一等国家資格でできること
- 4.1. レベル4飛行が可能
- 4.2. 信頼性
- 4.3. 二等資格も兼ねている
- 5. 一等国家資格を目指している人へ
- 5.1. 必要性の再確認
- 5.2. 費用に見合う回収ができるか?
- 5.3. 二等資格を目指す
- 6. それでも一等資格を目指す人へ
- 6.1. 一等資格の取得はスクールがおすすめ
- 6.2. 学科対策も必要
- 7. まとめ
OPENをタップすると目次が開きます
ドローン国家資格とは、操縦者の技能証明
ドローンの国家資格は正式名称は、「無人航空機操縦者技能証明」
文字通り技能を証明するものであって、決して免許証ではありません。
国家資格を持っていても、ドローンを自由に飛ばせません。
あくまでも、国家資格は「技能を証明するもの」です。
航空法やルールをしっかり守れば、国家資格を持っていなくてもドローンは楽しめます。
ドローン国家資格は一等資格と二等資格がある
ドローン国家資格には、下記の2種類があります。
- 一等無人航空機操縦士
- 二等無人航空機操縦士
「一等は二等よりレベルの高い資格である」という点を覚えておいてください。
一等資格と二等資格の違いは?
一等資格と二等資格の違いは、一等資格は二等資格と比べ、より高い難易度(危険性)の飛行を実行できます。
飛行の難易度は以下の5レベルに分けられています。
難易度 | 確認 方法 | 操縦方法 | 飛行 エリア |
---|---|---|---|
レベル1 | 目視内 | 操縦飛行 | 無人地帯 |
レベル2 | 目視内 | 自動飛行 | 無人地帯 |
レベル3 | 目視外 | 補助者 有り | 無人地帯 |
レベル3.5 | 目視外 | 補助者 無し | 無人地帯 |
レベル4 | 目視外 | 補助者 無し | 有人地帯 |
一等資格では、最高難易度のレベル4飛行が可能になります。
よって一等資格は、第三者上空を目視外で飛行させるような、ドローン運送などに必要な資格と言えます。
二等資格はレベル3.5までの飛行が可能です。
レベル3.5とレベル4については国家資格の取得が必須条件ですので覚えておきましょう。
レベル4やレベル3.5をしっかり理解できる自信がない人は、下記の記事で徹底解説しているので、ぜひ読んでみてください。
▶︎【徹底解説】ドローン飛行レベルとカテゴリーの違い?航空法が関わる重要なポイント
どんな人が一等資格の取得を目指すべきか?
一等資格を取得するべき人を以下の通りです。
- ドローンを主事業として扱う場合
- レベル4飛行を行う場合
- 公共事業でドローンを使う場合
一等資格の取得には高い操縦技術と知識が必要です。
ドローンを事業にしている人やドローンを使った公共事業を請け負う人にとって、高い操縦技術の証明として役に立ちます。
その分、取得には時間とお金が必要となってきます。
趣味でドローンを飛ばしたい人や、仕事の一部でドローンを活用したい人は二等資格で十分です
一等ドローン国家資格の難易度
国家資格は学科試験と実地試験があります。
一等資格の試験内容は、二等資格の試験に比べ、
- 学科:問題範囲の拡大
- 実地:飛行難易度の上昇
学科は、物理や力学の計算が問題や、飛行計画に関するリスク管理の問題が追加されます。
公式の暗記や正しい理解、時間をかけた操作練習がないと不合格の可能性が非常に高いです。
また実地は、全てATTIモードでの操作です。
不安定な状態でも、ドローンを正確に操作する能力が求められます。
上記の観点から、一等試験の難易度が格段に上がります。
対策のためにも、学科と実地に内容を詳しく紹介します。
学科試験の内容
一等学科試験の合格点は70問中63問正解(90点)
なかなか厳しいですね…
一等の学科試験では、二等の試験内容に加えて次の2つが追加されます。
- 計算問題
- リスク管理
特に計算問題については、馴染みの無い記号や数式がでてきます。
文系の人にとっては大変ですが、しっかり勉強して記号や公式を全て暗記する必要があります。
参考までに代表的なものを紹介します。
- T:推力
- p:空気密度
- λ:波長
- 滑空距離:d=h×L/D
- 消費パワー:P∝Tω∝Pω³記号
- フレネルゾーン:R=√0.125×D/4
などです。
頭にたくさん「?」が浮かんだあなた!大丈夫です
こちらのYouTubeを見れば、一つ一つ詳しく解説してくれていますし、覚え方も教えてもらえるので、しっかり覚えられます!
実地試験の内容
実地試験はATTIモードという位置制御機能をOFFにした機体で行います。
常に、細かい操作をしていないと機体が安定しないため、高い操縦技術が必要です。
さらに、屋外で試験を実施するので、風の影響も受け、難易度は一気にあがります。
高い操縦技術が必要だから、有資格者は相応の信頼を得られるんですね!
一等試験の合格者数
一等資格の合格者数は2024年5月末時点で1157名となっています。
合格率は学科が約70%、実地が約50%です。
特に実地についてはしっかり練習する必要があります。
一等実地試験の合格点数
実地試験は、減点方式をとっています。
持ち点100点あり、80点以上残っていれば、一等試験合格です。
この減点対象になる操作は、しっかりと情報が開示されています。
一等無人航空機操縦士実地試験実施細則という資料がインターネットからも見れます。
実地試験細則には下記のような記載があります。
5点減点の行為
- 飛行経路逸脱
- 指示と異なる飛行
- 離着陸不良
- 監視不足
- 安全確認不足
1点減点の行為
- ふらつき
- 不円滑
- 不円滑
- 機首方向不良
減点行為を紹介しました。
上記の行為をしないように、意識して練習すると合格の可能性はグッと広がるでしょう。
1つ合格のための、絶対的な条件があります。
一等国家資格を合格するための、条件は、下記の通りです。
- 机上試験のミスは許されない
- 口述試験(飛行前・飛行後・事故対応)のミスは許されない
つまり、飛ばす以外はノーミスでないと試験を進めないと、絶対に合格はできません。
これをすると一発不合格
実地試験には、それをするだけで不合格になってしまい行為もあります。
それをやらないように練習することも重要な対策です。
一発不合格の行為
- 航空法等の違反
- 危険な飛行
- 墜落、損傷、制御不能
- 飛行空域逸脱
- 制限時間超過
- 操作介入
- 不正行為
上記は絶対にしないように意識して、練習しましょう。
一等国家資格取得までの費用
一等資格は高い知識と操縦技術が必要となり、時間と費用がかかります。
ドローンの国家資格は、下記の2種類の方法で取得できます。
- スクールに通って学ぶ方法
- 独学で学んで試験のみを受ける方法
それぞれの費用を確認していきましょう。
スクールに通った場合
結論、30万円から100万円程度が必要です。
スクールに通う場合は初学者と経験者で受講内容と料金が変わります。
一等 国家資格 | 受講期間 | 金額 |
初学者 | 約2週間 | 70万円~100万円 |
経験者 | 約5日間 | 30万円~50万円 |
経験者とは、スクールによって規定が変わります。
民間資格の所持や、10時間以上の飛行証明ができた場合に適用されます。
独学の場合
受験料金(学科試験+実地試験+身体検査)が必要です。
独学の場合は学習や練習に使う書籍代や機材などによっても異なります。
独学の場合は、全て1回で合格できれば、
- 学科試験:9,900円
- 実地試験:22,000円
- 身体検査:5,200円
合計37,100円で一等資格が取得できます。
不合格になれば再受験になるので、別途費用が必要です。
独学で取得を目指す人はこちらの記事をご覧ください
▶︎【挑戦する価値あり】ドローン国家資格は独学でも可能!隠れたリスクは理解している?
当スタッフで、3回目でやっと合格できた人間もいます。
彼曰く、30万円くらいは資格に使ったとのこと涙
一等国家資格でできること
冒頭で紹介しましたが、一等資格を取得してできることは、「より難易度(危険性)の高い飛行」です。
要件はさまざまありますが、一等資格を取得することで、日本国内で許可されている飛行のすべてが可能になります。
同時に有資格者は高い信頼も得られるという点も、間接的なメリットと言えます。
レベル4飛行が可能
レベル4飛行とは、「有人地帯、補助者無し、目視外」で行う飛行です。
有人地帯とは第三者がいる上空のことで、ドローンは第三者上空の飛行は法律で禁止されています。
操縦者が一等資格を所持し、国から認定された機体で飛行させる場合に限り、第三者上空の飛行が許可されます。
補助者とは、ドローン飛行を支援し、空域への第三者の侵入防止や空路の安全確認を行います。
目視外とは、ドローンを目視で飛行させないで、モニターを見て飛行させる方法です。
目視外飛行では基本的に補助者の配置が義務化されています。
一等資格を取得し、さらに認定された機体で飛行させる場合、補助者無しの目視外飛行が許可されます。
信頼性
一等資格はレベルの高い飛行が可能になる証明書のようなものですから、信頼性も生まれます。
現に、公共の仕事などでは一等資格が必須条件になっているところもあります。
二等資格も兼ねている
一等資格は二等資格を包括します。
よって、一等資格さえ取得してしまえば日本で許可されている飛行はすべて実現可能になります。
その分、難易度は高くなっています。
一等国家資格を目指している人へ
これまで一等資格について紹介してきました。
取得には相応の時間と費用、労力が必要です。
あなたにとって本当に一等資格が必要でしょうか?
必要性の再確認
一等資格のメリットは
- レベル4飛行が許可される
- ドローンの仕事を受けるにあたって信頼性が高まる
という点です。
あなたにとってこれらが本当に必要かどうか再確認しましょう。
費用に見合う回収ができるか?
一等資格取得には30万円~100万円の費用が発生します。
さらにドローンの購入費などもかかることも踏まえて、本当にこの投資が妥当か考えてみましょう。
一等資格を持っているから、高年収で資格者を雇いたいと思っている会社も多くはないです。
二等資格を目指す
基本的には二等資格を取得すれば航空法などの知識も得られますし、ドローンは飛ばせます。
レベルの高い飛行が必要ない場合は二等資格を取得し、必要になったら経験者として一等を取得した方が、費用も抑えられるケースもあります。
すでに民間資格を持っている人は、二等資格の取得は、一等資格と比べて、高額な費用は必要ないです。
一等や二等のメリット・デメリットに関して詳しく解説しています。
迷っている人は、ぜひこちらの記事も読んでみてください
▶︎ 【完全ガイド】ドローン国家試験のメリットとデメリット 一等・二等資格の違いとは?
それでも一等資格を目指す人へ
一等資格が必要という人は相応の覚悟をもって始めることをオススメします。
時間もお金もかかりますので、無駄にならないように資格取得に向けて走り出しましょう!
一等資格の取得はスクールがおすすめ
一等資格はレベルの高い操縦技術が必要です。
相応の訓練を行う必要があるのでスクールがおすすめです。
スクールであれば、ATTIモードに対応した機体もありますし、操縦のコツも教えてくれます。
当サイトでは全国のスクールを検索できます。
さらに当サイト限定の割引もありますのでスクール選びに迷ったら使ってください!
また問い合わせフォームからメッセージをください。
あなたに合った国家資格取得プランを紹介します。
学科対策も必要
学科試験はスクールに通ったとしても、受験する必要があります。
もちろんスクールで学科対策も教えてくれます。
確実に合格するためには、計算問題やリスク管理については、しっかり復習することも大切です。
▶こちらの国家資格に対応した問題集などを使って対策しましょう!問題集300はこちら購入できます。
まとめ
ドローンの国家資格「無人航空機操縦者技能証明」についての理解は深まりましたでしょうか。
- 一等資格でできること
- 二等資格でできること
各々の特徴が分かれば、「あなたにとって必要なものは何か」が見えてくると思います。
今後もドローン国家資格に関する情報や、ドローンに関する有益情報を発信していくので、ブックマークしておいていただければ幸いです。