山でドローンを飛ばす時の撮影の基礎知識と安全対策ガイド!

法規制

山でドローンを飛ばしたい。

普段では絶対に見られない位置からの映像は、間違いなく新しい発見がたくさんあります。

日の出、日の入の瞬間などの映像も感動しますし、雲の動きなども撮影してみると、とても幻想的な映像になります。

魅力たっぷりな山岳地帯での撮影ですが、どんな準備や申請が必要なのか分からずに悩んでいませんか?

この記事では、申請方法から撮影テクニックまで紹介していきます。

山は人の立入も少ないので飛ばしやすいイメージがありますが、注意する点もあるので、ぜひ最後まで読んでください。

ドローン先生

この記事で解決する悩み

  • 法規制について知りたい
  • 実例が知りたい
  • 事前準備が知りたい
  • 撮影テクニックが知りたい

OPENをタップすると目次が開きます。

山で飛ばすための、法令遵守と許可申請例

ここでは、山でのドローン飛行に関わる、法令関係の再確認と、必要な許可について紹介していきます。

山ならではのポイントを押さえていきましょう!

航空法を再確認

山での飛行時に特に注意が必要な航空法は、高度150m以上の飛行禁止についてです。

150m以上上空とは、「対地高度」を指します山では特に注意が必要です。

例えば、山の中腹で150mまで上昇させた時、山頂方面に飛行すると対地高度は下がりますが、ふもと方面に飛ばすと対地高度は高くなってしまします。

「気づいたら150m以上上空になっていて、航空法違反になってしまった」なんてことにならないように、山での飛行時の高度は、十分注意が必要です。

プロポに表示される高度は離陸場所からの高度になるので、合わせて注意しましょう。

山ならではの特有の規制

山で撮影をしようとする場合、以下のようなことにも注意して、必要に応じって許可を取得しなければいけません。

  • 国有林かどうか
  • 国立公園かどうか
  • 鳥獣保護地区かどうか

これらの、許可の方法や確認方法、注意点などを紹介します。

国有林国立公園鳥獣保護地区
連絡先森林管理所各都道府県
環境事務所
市役所
確認方法国土交通省サイト環境省サイト環境省サイト
情報元URL国土情報
ウェブマッピング
システム
【環境省】
日本の国立公園
【環境省】
鳥獣保護区の指定状況

国有林

国有林でドローン撮影を行う場合、管轄する森林管理署に入林届を提出しないといけない場合があります。

入林届はメールで提出し、おおむね1週間程度すると受理されたものが返信されます。

国有林かどうかはコチラで確認ができますので、チェックしてみてください。

【国土交通省】国土情報ウェブマッピングシステム

国立公園

国立公園でドローン撮影を行う場合、各都道府県の環境事務所に確認する必要があります。

場所によって規制の内容が変わってくるので、飛行させたい山が国立公園に指定されている場合は、環境事務所に連絡をして、許可の方法など問い合わせてみてください。

国立公園の一覧はこちらで確認ができます。

【環境省】 日本の国立公園

鳥獣保護地区

鳥獣保護地区でドローン撮影を行う場合、山の一部が、飛行禁止に指定されたいたりすることがあります。

窓口は市役所になりますが、担当部署名が異なったりしますので、問い合わせて確認をしてみてください。

鳥獣保護地区も、環境省から情報を確認できます。

▶︎【環境省】鳥獣保護区の指定状況

その他、必要な許可

上記した山に対する許可に加えて、山にある構造物などを撮影する場合は、その構造物の管理者の許可も必要です。

許可を受ける場合は、離発着場所と飛行ルートは、いくつか用意しておくと話がスムーズに進みます!

撮影の許可申請に関して詳しく記事を用意しているので、こちらも参考にしてみて下さい。

▶︎ドローン撮影の許可申請で絶対に知っておきたい8つのポイント

ドローンを山で飛ばした時の実際の許可申請の例

中部地区ばかりになりますが、一部の山の許可例を紹介します。

山でドローンを飛ばしたいと思っている人には、具体的な情報になっているので、参考にしてもらえると嬉しいです。

伊吹山

伊吹山は国有林ではないので、入林届は必要ありません。

ただし、伊吹山は、岐阜県と滋賀県にまたがる山なので、下記のように管轄が分かれています。

  • ドライブウェイ / 岐阜県の管理事務所が管轄しています
  • 展望デッキ(スカイテラス) / 岐阜県の管理事務所が管轄しています
  • 登山道 / 滋賀県米原市の市役所が管轄しています
  • 山頂 / 滋賀県米原市の市役所が管轄しています

このように、山は、県や市をまたいでいて、それぞれ管理場所が違う場合があります。

どこでドローンを飛ばすのかによって許可を得る場所が変わりますので、注意しましょう。

金華山(岐阜城)

山頂に岐阜城がある金華山は国有林なので、入林届の提出が必要です。

金華山で岐阜城を撮影したい場合、以下の場所で許可を得る必要があります。

  • 国有林の入林許可/森林管理署
  • 岐阜城の撮影許可/市役所
  • 離発着場所の許可/岐阜ロープウェイ

また、警察署への連絡のお願いと、一部が鳥獣保護地区になっているので、飛行禁止エリアが指定されます。

2024年7月現在は、金華山山頂の飛行は許可されます。

今後、山頂も公園指定されるようなので、そうなるとドローンを飛ばすことは難しくなるかもしれませんね。

富士山

富士山は国立公園で登山道と山頂を含む全域が飛行禁止となっています。

周辺の湖などもそれぞれ許可が必要なので、富士山を撮影する際は注意しましょう。

オススメは富士山周辺のドローンフィールドからの撮影です。

航空法違反もなく、安全に撮影できます!

富士山が撮影できるオススメのドローンフィールドはこちらから

事前準備と山に持って行けるおすすめドローン

山の天気は変わりやすく、地形によって風向きが変わったり、鉄塔などの電波干渉、木の枝などにも注意が必要です。

事前準備に必要なことやその方法などを確認していきましょう。

また、登山時は荷物が多くなると負担も大きくなるので、負担にならない軽量のドローンも紹介します。

事前準備/飛行エリアの徹底調査

山はドローンを自由に飛ばせそうな気がしますが、特有の危険も潜んでいます。

飛行エリアの徹底調査をし、事故が起こらないようにしましょう。

安全に飛行させる為のチェックリストを記載しておくので、参考にしてみてください。

安全に飛行するためのチェックリスト

  • 航空法の許可承認 / 飛行禁止空域に該当しないか
  • 山の許可 / 国有林などに該当しないか
  • 構造物の許可 / 管理者の許可
  • 安全な離発着場所 / 木や電線などが離発着場所上空に無いか
  • 飛行ルート / 登山道などが近くにあって、第三者上空に当たらないか、障害物は無いか
  • 電波障害 / 高圧線や鉄塔の有無と電波干渉の確認
  • 飛行高度 / 山の地形を考慮した飛行高度の設定。対地高度やRTHの設定。
  • 当日の天候 / 雨や風速などの気象状況の確認。
  • ドローンを見失った時の捜索機能の確認

山の気象は変わりやすく、時間帯によって風向きも変わります。

また、枝や電線などの細い障害物は、ビジョンセンサーでは検知できないので危険です。

鳥が攻撃してくることもありますので、周辺状況はしっかり確認しましょう。

山特有の風の再確認

山では、以下のような特有の風が吹きます。

名称時間帯特徴
山風夜間吹きおろしの風
谷風日中吹き上げる風

日中は、温められた空気が上昇する谷風が吹き、夜間は冷えた風が山から降りる山風が吹きます。

ドローンは、ローターの回転数を下げて下降するという特性上、上昇気流に弱いので、注意が必要です。

特に夏場などは上昇気流が発生しやすいので気を付けましょう。

登山する人にもオススメ便利なドローン

登山ついでにオススメのドローンは、DJIのMiniシリーズです。

携帯性も良く、SNS用の縦動画撮影ができるのも特徴です。

最近のモデルは、耐風性能も高いので、山岳地帯でも安心して飛行させられます!

ミニシリーズについては、こちらの記事で紹介していますので、ぜひ見てみてください!

【何が違う?】DJI Mini4 ProとMini3Proの違いについて徹底解説

山での撮影実践テクニック

ここでは、山でドローン撮影をする時の注意点やテクニックを紹介していきます。

より良い映像にする為の注意点などを学んで、最高の思い出を作りましょう!

撮影前の最終確認

撮影前には、飛行ルートに加えて、電波状況なども確認しておきましょう。

電波が悪くなるとスムーズな撮影ができなくなることがあります。

また、撮影前にテスト飛行を行って構図を確認することでより良い撮影ができます。

飛行ルートの確認も重要です。

撮影に集中しすぎて、センサーに反応しない、枝などの障害物に当たってしまうことはよくあります。

著者も、カメラをチルトアップしながらドローンを下降させて枝にひっかけたことがあります。

見えない方向へ飛行させる時は、実際に飛ばしてみて、予めルート確認することは必須です。

構図とアングル

山は大きな被写体となるので、基本的には飛行ルートを広くとった、ダイナミックな撮影方法となります。

その中でも、登山道やポイントとなるような自然の構造物などがある場合は、以下のような撮影方法も試してみてください。

  • その部分を中心において全体が動くように撮影。
  • 木々など隠れたところからポイントとなるものが現れるように撮影。
  • 山頂からのパノラマ撮影。

奥行を意識すると雄大さが表現できますので、ぜひチャレンジしてみてください。

撮影モードを活かす

様々なシーンに合わせた撮影モードを使いこなすことでよりクオリティの高い映像撮影ができます。

様々な撮影方法を試して、撮影テクニックを磨いてみてください。

自動飛行を使う

DJI機で言う「マスターショット」を使うことで自分を中心とした様々な撮影が可能です。

登山道が開けていて、かつ安全性に問題が無い環境であれば、追尾機能の「アクティブトラック」がオススメです。

自分をドローンが追いかけ続けてくれるので、登山をしている映像を俯瞰的に撮影することができます。

被写体に向かって真っすぐ飛行するので、植物などの障害物が多いところで、曲がっている道では、注意が必要です。

タイムラプスを使う

太陽が昇る瞬間など、自然の移り変わりを短時間の映像として撮影できる機能です。

一定の時間毎に写真撮影をして、それらをつなげ合わせることでパラパラ漫画のような映像になります。

雲の動き、太陽や星の動き、雲の影の動きなどを短時間にしてみてみると、まるで生き物のような映像が撮影できます。

このモードで、夜景などの光の動きを撮影するのもオススメです!

ナイト(夜景)モードを使う

夜の撮影は、カメラ設定が難しいので、ナイトモードを使うのがオススメです。

丁度良い光量にしてくれるので、ノーマルモードよりもキレイに夜景の撮影ができます。

ドローンは撮影の仕方次第で、同じ画角でも一風変わった映像撮影ができます。

いろいろな撮影方法を試していくと、自分の撮りたい映像や画像が撮影できるようになっていきますので、ぜひチャレンジしてみてください!

山でドローンを飛ばす為のまとめ

山での撮影は、簡単そうに感じますが、特有の危険がたくさん潜んでいます。

飛行許可関連についても、初めて知った項目もあったのではないでしょうか。

国有林、鳥獣保護地区など、知っていれば許可取の得は難しいものではありませんので、たくさんチャレンジしてみてください。

ドローン先生

木の枝や電線、鳥には本当に注意してください!!

今後もドローン国家資格に関する情報や、ドローンに関する有益情報を発信していくので、ブックマークしておいていただければ幸いです。

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