ドローン高高度飛行(150m以上)は誰でも飛ばせる!申請手順の完全ガイド!
YoutubeなどのSNSで、稀にドローンで撮影されたと思われる超高高度飛行の映像を見かけます。
上記の画像も、実際にドローンを高度2000mまで上げて、富士山を撮影した画像です。
150mの高さでは見えない遠くの景色や、広域の映像は、通常のドローンの映像よりも目を引きます。
まるで飛行機から眺め。そんな映像を、あなたもドローンを使って撮ってみたいと思っていませんか?
高高度飛行は飛行許可の取得や手順が難しそうですが、実は国土交通省のHPにもガイドラインが記載されていますし、手順に沿って行えば、難しいものではありません。
ここでは、ドローンで禁止されている飛行の基本的な知識から、高高度飛行に必要な手順を紹介していきます。
ドローンを高高度まで飛ばしてたい人は必見です。
必ず最後まで読んで、新しい空の世界へチャレンジしてみてください!
記事の最後には、2000mの高度から、カメラを下に向けた画像も紹介しています。
この記事で解決する悩み
- ドローンの禁止されている飛行について
- 高高度の許可の取り方について
- 許可以外に必要なことについて
特定飛行について
高高度でドローンを飛ばすためには、ドローンを飛ばすためのルールをしっかり理解する必要があります。
すでに理解されている人も、復習だと思って、読んでくださいね
ドローンは特定の飛行が禁止されており、以下の2つに分類されています。
- 禁止されている空域
- 禁止されている方法
はじめに、禁止されている飛行について再確認しておきましょう。
禁止されている方法
禁止されている方法は次のように定められています。
これらの方法で飛行させたい場合、航空局からの飛行許可を取得しなければいけません。
対象となるのは、100g以上の機体です。
禁止されている空域
禁止されている空域は次の画像のように定められています。
これらの空域で飛行させたい場合、禁止されている方法同様に、航空局からの飛行許可を取得しなければいけません。
今回はこの中の「150m以上の上空」の飛行許可について、詳しく解説していきます。
特定飛行とは?航空局からの許可が必要な飛行
禁止されている空域、禁止されている方法のことを総称して「特定飛行」と呼びます。
特定飛行を行うには、航空局からの飛行許可を取得する必要があります。
特定飛行を行う場合は、以下のことが必要になります。
- 飛行許可書の携帯
- 飛行マニュアルの遵守
- 飛行通報
- 飛行日誌の作成
- 立入管理措置等の安全対策
特定飛行について、より詳しく学びたい人や特定飛行に関して自信がない人は、こちらの記事をご覧ください。
▶あなたはちゃんと理解できている?ドローン飛行レベルとカテゴリーについて徹底解説!
高高度の許可について
高高度の飛行許可はどのように取得すればよいのでしょうか?
手順は国土交通省のHPに記載してありますが、必要なことの詳細が記載されているわけではありません。
ここでは、以下の項目ごとに詳しく紹介していきます。
- 申請方法~準備編~
- 申請方法~DIPS申請編~
高高度飛行に挑戦したい人は、記事を確認しながら進めてみてください。
申請方法~準備編~
高高度飛行の申請は、いきなりDIPSで申請するわけではありません。
事前に空域を管理している機関と、自分で事前調整というものをする必要があります。
ここでは、事前調整について6つのSTEPで説明していきますので、実際に行ってみてください。
空港の進入表面等、管制圏に該当しないか確認をする
- 空港周辺の場合:関係する空港へ確認が必要です。
- 管制圏内の場合:該当する航空事務所の確認が必要です。
この2点を確認してください。
空港周辺の場合は、空港に直接連絡をして、希望する高度で飛行させられるかの確認をします。
空港周辺でない場合は、国土交通省の「空港等設置管理者・空域を管轄する機関の連絡先について」のサイトから、管制圏等の空域に該当するか確認をします。
▶︎【国土交通省】空港等設置管理者・空域を管轄する機関の連絡先について
管制圏等の空域に該当する場合は、記載されている連絡先へ連絡して、希望する高度で飛行させられるかの確認をします。
※確認の連絡をする際、STEP4(海抜高度)とSTEP5(緯度経度)の情報が必要です。
進入管制区エリアに該当していないか
STEP1に該当しない場合、上記と同様の国土交通省のサイトから、航空局及び防衛省所管のエリアに該当しないかを確認します。
該当する場合、記載されている連絡先に連絡して、希望する高度で飛行させられるかの確認をします。
※確認の連絡をする際、STEP4(海抜高度)とSTEP5(緯度経度)の情報が必要です。
民間訓練試験空域のエリアに該当していないか
STEP2にも該当しない場合、上記と同様の国土交通省のサイトから、民間の訓練試験空域に該当しないか確認をします。
該当する場合、航空交通センターに連絡をして、希望する高度で飛行させられるかの確認をします。
航空交通センターの連絡先はこちらに記載されています。
※確認の連絡をする際、STEP4(海抜高度)とSTEP5(緯度経度)の情報が必要です。
海抜高度を調べる
次に海抜高度を調べます。
航空局とのやり取りは基本的に海抜高度基準となるので覚えておきましょう。
国土地理院地図の左下に、選択した地点の標高がでます。
例えば、標高50m地点で、300mまで上昇した場合、海抜高度は350mとなります。
飛行空域の緯度経度を調べる
次に緯度経度を調べます。
飛行空域を記すには、緯度経度で空域を指定する必要があります。
こちらも【国土地理院地図】で調べられます。
選択した地点のURLの一部が、緯度と経度となります。
緯度経度の表記方法は以下の2種類です。
- 10進法: 例:北緯36.1914
- 60進法: 北緯36度42分13.3秒
どちらでも大丈夫ですが、地図のURLに記載されているのは10進法です。
四角で囲った空域図を作成する場合は、角となる4点の緯度経度を記す必要があります。
該当する管轄機関に連絡する
飛行海抜高度と、飛行空域の緯度経度が確認できたら、STEP1~STEP3で確認した、該当する調整機関へ連絡します。
どれも該当しない場合は、上記と同様の国土交通省のサイトの一番下に記載してある、「管轄機関の連絡先」にメールをして確認をします。
準備編でのポイント
- 民間の訓練試験空域の場合は航空交通センター、それ以外は、該当する機関に連絡
- 事前調整には短くても1週間程度かかりますので、早めの確認が必須
申請方法~DIPS申請編~
関係する機関との調整が完了したら、DIPSで高高度の飛行申請をします。
基本的には、通常の包括申請と手順は同じです。
高高度は必然と目視外になりますので、以下の2つは必ず選択してください。
- 150m以上の高さの空域
- 目視外飛行
DIDなどに該当する場合は、飛行場所に応じて選択してください。
申請時に必要なことを、一つずつ解説していきます。
申請する航空事務所
包括申請では、〇〇航空局に申請を出しますが、高高度の場合は〇〇航空事務所に申請を提出をします。
間違えないように気を付けましょう。
調整結果記載
空域を管轄する関係機関との、調整結果を記載する項目があります。
調整した機関名と結果を入力します。
調整結果の記入欄は、「問題なし」だけでOKです。
別途、要件がある場合は記載してください。
特記事項
特記事項を入力する箇所に以下の情報を入力します。
- 〇〇(空域を管轄する機関)との事前調整済み
- 事前調整の返答をもらった年月日
- 飛行させる日時
- 同時に飛行させる無人航空機の数
- DID、目視外飛行の許可の取得情報(取得年月日と許可証番号)
必ず事前に調整した内容と同じ内容で記載する必要があります。
DIDや目視外飛行は、該当する航空局に申請を出す必要がありますが、今回は航空事務所に許可申請をします。
150m以上上空以外の特定飛行については、別で許可を取得し、その許可書情報を入力しないといけません。
その他注意点
以下は間違えないように注意してください。
- 年間を通じての飛行は許可されません。事前調整した日にちを入力します。
- 飛行する場所は、「特定の場所・経路で飛行するを」選択します。
場所や経路については、次画面で、空域図を作成します。
DIPS申請編のポイント
- 高高度の場合の申請は、管轄する〇〇航空事務所に提出
- 必ず事前に調整した内容と同じ内容で記載する
許可取得後~FlySafe申請~
DJI機の場合、高度500m以上はプロポの設定画面で選択できません。
500m以上上空を飛行させる場合、カスタムロック解除という作業をする必要があります。
DJI機はジオフェンスという技術を使って、空域にフェンスを張り、その空域だけ特別な飛行ができるように設定ができます。
それがカスタムロック解除という作業です。
申請方法するサイト
DJIのFlySafeにログインをして申請します。
申請にはDJIアカウントが必要です。
申請前の準備として
カスタムロック解除の前に、2点の準備が必要です。
- 機体・パイロット登録
- 翻訳
機体・パイロット登録
申請前に、機体登録とパイロット登録をします。
機体登録は、機体のシリアルナンバーが必要ですので準備しておきましょう。
パイロットはDJIアカウントのメールアドレスで登録されます。
翻訳
申請時には許可承認書を、英訳したものか、中国訳したものが必要です。
Google翻訳などを使って翻訳しておきましょう。
稀に飛行高度が分かる書類の添付を求められます。
その場合は、申請書類の1ページ目に高度が記載してありますので、そのページをスクリーンショットして翻訳します。
申請情報の入力のステップ
新規申請を選択して、「カスタムロック解除」を選択します。
注意事項を確認した後に、下記の必要情報を入力していきます。
画面左上のカスタムロック解除を選択
青いボタンを押した後に、注意事項を確認して、確認ボタンを次に進みます。
ロック解除タイプを選択
ここでは赤枠で囲ったカスタムロック解除を選択し、確認ボタンを押す。
機体や操縦者の基本情報を入力
事前に登録した機体や操縦者の情報を選択します。
機体は、登録した機体の種類を選択した後に、右枠で、番号を選択
操縦者は、事前に登録した操縦者を選ぶだけです。
各情報を入力する
- 区域を選択:地図を作成します。飛行区域には離発着場所も含めてください。
- 高度:ここでは対地高度を入力してください。
- ロック解除申請理由:空撮など
- ファイル:翻訳した許可書などを添付します。
区域の選択が重要ですので、広めに設定しましょう。
申請
申請すると、遅くても1時間以内には結果の通知がきます。
拒否された場合、拒否の理由も記載されてくるので、修正して再提出しましょう。
機体での設定方法
申請内容が許可されたら、最後に機体にその情報をインポートしないといけません。
以下の手順で情報をインポートします。
- インターネットが接続された状態で、機体の電源を入れる
- 設定画面の「安全」の中の「GEO区域をロック解除」を選択
- 「アカウントのロック解除ライセンス」の中に許可された空域の申請情報が表示されるので機体へインポート
- 「機体のロック解除ライセンス」の中にインポートしたライセンスが表示されるので、ONにする
ライセンスをONにすることでジオフェンスが有効になります。
飛行前日までに、機体へのインポートはやっておきましょう。
カスタムロック解除は、FlySafeで申請した期間を過ぎると自動的にOFFになり、設定画面上の表示も消えます。
注意点
カスタムロック解除は、ジオフェンスという技術を使っています。
設定をONにして飛行させると、FlySafeで申請した空域には入れますが、出られなくなります。
プロポの地図上では、紫色の空域として表示されますので、飛行前に必ず確認しましょう。
離発着場所が空域に含まれていないと、戻って来られなくなるので注意してください。
離発着場所が、空域に含まれていることをしっかり確認しましょう。
飛行時の注意点
高高度飛行は、航空機の航行にも影響する危険度の高い飛行です。
安全対策はしっかりと行い、事故のないように十分に注意しましょう。
他の航空機の確認
事前調整をしているので、基本的に他の航空機が近くを飛行することはありませんが、100%ではありません。
150m以上の上空はヘリコプターと同じ飛行空域になるので、周辺の状況には十分注意し、他の航空機を見つけたら速やかに着陸させるようにしましょう。
風速の確認
基本的には、高度が上がると風も強くなります。
高高度の風速が確認できるアプリなどを使って、必ず安全確認を行いましょう。
機体によっては、風が強いと安全警告がでますので、常にプロポで状況を確認しておきましょう。
保険への加入は必須
高高度の飛行は、通常の飛行と比べてリスクが非常に高くなります。
万が一ドローンが飛行中に操縦不能となった場合を想像してみてください。
もちろん安全に配慮した場所で飛行を行いますが、墜落したドローンが何か衝突した場合は大変な事故になります。
万が一に備えるためにも、ドローンの保険を加入しておきましょう。
▶︎ドローン事故のリスクと保険の重要性!安心して飛ばすドローン保険ガイド
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まとめ
高高度の許可申請は国土交通省のHPに手順が記載してあります。
基本的には手順に沿って行えば、そこまで難しいものではありません。
その後の作業などについてまとめられている記事は少ないので、ぜひこの記事を見ながらチャレンジしてみてください!
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