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情報発信ブログBy 株式会社Tech Drone

ドローン飛行を安全に!バッテリーの種類と管理法を徹底解説

基礎知識

リチウムバッテリーは、ドローンからスマートフォン、ワイヤレスイヤフォン、電動工具、EVカーまで、その用途は非常に多岐にわたります。

現代社会は、バッテリーを内蔵した製品で溢れていますね。

スマホのバッテリーの爆発して、ケガをしたというニュースなどを聞くと、自分のドローンは大丈夫かな?と心配になったりします。

そんな中で、ドローン用バッテリーについて、以下のような疑問を持ったことはありませんか?

  • ドローン用バッテリーに種類はあるのかな?
  • バッテリーの取り扱いに、注意がすべき事は?
  • バッテリーの保管方法はどうればいいの?

身近に存在するバッテリーですが、意外と知られていないことも多いものです。

この記事では、あなたの疑問や不安を解消して、ドローンのバッテリーを正しく使用、管理、保管する方法を紹介します。

バッテリーに関する知識が足りていない人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

身近にあるバッテリーですが、使い方以外は、知らない事が多いですよね。

この記事でしっかり学びましょう!

目次

ドローン用バッテリーの種類

ドローンの飛行を支える重要な要素の一つが、バッテリーです。

主に使用されているバッテリーは、以下の2種類です。

  • リチウムイオンバッテリー
  • リチウムポリマーバッテリー

この二つのバッテリーは、どちらも正極と負極の間で、リチウムイオンが移動し電流を生み出すという、同じ原理で構成されています。

では、それぞれの特徴を紹介します。

リチウムバッテリー2種類の違い

ドローンのバッテリーとして、一般的に使用されるリチウムイオンバッテリーと、リチウムポリマーバッテリーは、それぞれ異なる特性を持っています。

違いを次の表で確認しましょう。

比較項目リチウムイオンバッテリーリチウムポリマーバッテリー
電解質液体固体(ポリマー)
形状・外装主に円筒形・金属ケース主に板状(薄型)・ラミネートフィルム
安全性液体電解質を使用しているため、液漏れ・発火・爆発のリスクに注意外装が裂けると、発生したガスが外に出るため注意

基本的な機能は同じ。

細かく見ると相違点があるので違いをみていきましょう!

リチウムイオンバッテリーの特徴

リチウムイオン電池についての主なポイントを以下にまとめます。

小さくてパワフル

他の充電池(鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池など)と比べて、同じサイズでも、高い電圧を出力でき、小さくてもパワフル。

ポイント
1

充電・放電の繰り返しに強い

化学反応を利用せず電極の劣化が少ないため、充電や放電の繰り返しに非常に強い。

ポイント
2

急速充電が可能

充電器側で充電終了判定ができ、急速充電が実現可能となった。

ポイント
3

身近な例だと、スマートフォンや、ノートパソコン、電気自動車のバッテリーにリチウムイオンバッテリーが使われています。

リチウムポリマーバッテリー

リチウムポリマーバッテリーの主な特徴は以下の通りです。

高エネルギー密度

同じ重さの他のリチウムイオンバッテリーより、多くのエネルギーを蓄られます。

ポイント
1

形状の自由度

ラミネートフィルムの外装を使用しており、薄型で製品に合った形状を製造可能。

ポイント
2

液漏れリスクの低減

バッテリーを構成する電解質が、ゲル状態であるため、液漏れしない。

ポイント
3

ドローンのバッテリーの多くがリチウムポリマーバッテリーが使われています。

他には、医療機器などにもこのバッテリーが使われているようです。

ドローンのバッテリーの注意点

バッテリーは、ドローンの動力源であり、その性能や寿命に大きく影響します。

適切な管理を怠ると、飛行中に突然電力が切れて、墜落する危険性もあります。

ここでは、バッテリーに関する基本的な注意点を紹介します。

充電する時の注意点

バッテリーの充電時には、重要なポイント3つあります。

  • 専用の充電器を使用する
  • 適切な環境で充電する
  • 充電中の監視

それぞれのポイント中身を見ていきましょう!

専用の充電器を使用する

バッテリーは、専用の充電器の利用が基本です。

互換性のない充電器を使用すると、過充電や過熱の原因となり、バッテリーの劣化や破損を引き起こします。

適切な環境で充電する

バッテリーを充電する際には、涼しく乾燥した場所を選びましょう。

直射日光が当たる場所や、高温多湿な環境では、バッテリーの温度が、上昇し劣化の原因となります。

充電中の監視

充電中は、バッテリーを放置せず、充電状況をチェックするなど、配慮が必要です。

特にリチウムポリマーバッテリーは、過充電や過熱が発生しやすいため、異常が見られた場合はすぐに充電を中止しましょう。

充電中のバッテリー

保管する時の注意点

バッテリーを長期間使用しない場合や、シーズンオフなどで保管する際には、以下のポイントに注意してください。

  • 適切な充電状態で保管
  • 冷暗所で保管
  • 定期的なチェック

それぞれのポイント確認していきましょう!

適切な充電状態で保管

バッテリーの長期間保管には、完全に充電や放電した状態にしないようにしましょう。

これは、バッテリーの重要な構成要素である、セルの劣化を最小限に抑えるためです。

理想的な保管充電量は50%程度です。

冷暗所で保管

バッテリーは、直射日光を避け、涼しく乾燥した場所で保管してください。

高温多湿な場所は、バッテリーの劣化を促進します。

理想的な保管温度は22~28℃です。

難燃性のバッテリー保管バックに入れて保管しましょう。

以下は、一例です。あなたに合った容量のバックを探してみましょう!

バッテリーセーフティーバッグ

定期的なチェック

長期間保管しているバッテリーは、定期的に充電状態をチェックし、必要に応じて50%程度まで充電を行いましょう。

DJIのドローンであれば、バッテリーについているボタンで確認ができます。

ライトがつく箇所が4つあるので、2つ点灯すれば、残量が50%程度だと確認可能です。

廃棄する時の注意点

バッテリーが、劣化して使用できなくなった場合は、適切な方法で廃棄が必要です。

ドローンのバッテリーは、特別な取り扱いが求められます。

廃棄する際に、ポイントは

  • 完全に放電する
  • 専門の廃棄施設を利用する
  • 安全な梱包

それぞれの内容について、下記にて紹介します。

完全に放電する

廃棄する前に、バッテリーを完全に放電しましょう。

バッテリー内部に残るエネルギーによる火災や爆発のリスクを防ぐためです。

放電の方法は、バッテリーを本体にセットし、電源を入れた状態でエネルギーを消費させる方法が推奨されます。

バッテリー充電器の仕様により、放電機能を備えた製品もあります。

専門の廃棄施設を利用する

バッテリーは、通常の家庭ゴミとして廃棄してはいけません。

各自治体で指定された廃棄方法があるため、あなたがお住いの自治体サイトや、環境局などで確認しましょう。

▶︎【参考資料】東京都リチウムイオン電池のゴミ分別の呼びかけ

市区町村のリサイクルセンターや、バッテリーの回収を行っている店舗に持ち込んでください。

安全な梱包

廃棄する際には、絶縁テープでバッテリーの端子部分を覆い、安全な容器に入れて持ち運びましょう。

絶縁等の処置で、輸送中のショートや漏電を防ぐぎます。

今まで、なんて危険な取り扱いをしてたんだろう、、、

これからは、学んだ事をしっかり実行するぞ!

ドローンを飛ばす時のバッテリーの注意点

ドローンの飛行には、安全かつ快適な飛行を実現する、いくつかの重要な注意点があります。

特にバッテリーのトラブルは、飛行計画に影響を及ぼすため、理解しましょう。

以下に、具体的な飛行時の注意点を3つ紹介します。

  • 気温が低い時は注意が必要
  • 落下したバッテリーは使用しない
  • 飛行前にバッテリーの容量を確認する

飛行中にバッテリーが発火したら怖いですね!

注意点をしっかり理解していきましょう

気温が低い時は注意が必要

気温が低い環境では、バッテリーの性能が低下しやすいため、以下の点に注意しましょう。

  • バッテリー温度
  • 飛行可能時間
  • 飛行後の管理

バッテリーの暖気

気温が20℃以下の場合、飛行前にバッテリーを暖めておくことが重要です。

寒冷地では、バッテリーをポケットや移動車両の中で暖め、飛行中の急激な電圧低下を防ぎます。

バッテリーの保温を怠ると、電流の供給能力が低下して、最悪の場合は墜落に繋がります。

短い飛行時間

低温環境では、バッテリーの持ちが悪く、飛行時間が通常よりも短くなります。

飛行計画を短めに設定し、バッテリー残量に注意して、早めの着陸を心がけましょう。

飛行後のケア

飛行後、冷えたバッテリーは、すぐに暖かい場所に戻さないようにしてください。

急激な温度変化は、バッテリーに負担をかけ、劣化を早める原因です。

早める原因は、温度変化によって、電解質の体積が膨張と収縮を繰り返します。

この繰り返しが、電解質の化学構造を破壊し、劣化を促進します。

バッテリーを落下させた場合は使用しない

バッテリーは、精密な部品であり、衝撃に弱い特性があります。

誤って落下させてしまった場合には、次の点に注意してください。

外観のチェック

落下後にバッテリーの外観を確認し、傷や変形がないか調べます。

目に見える損傷がある場合は、使用を中止してください。

バッテリー内部の損傷や、電解液の漏洩が、発火に繋がります。

内部損傷のリスク

見た目に異常がなくても、内部に損傷がある可能性があります。

安全のため、落下したバッテリーは再使用せず、メーカーに検査を依頼するか、新しいバッテリーを使用しましょう。

DJIは保証期間内(12ヶ月)の場合、オンライン修理受付サービスを利用して、アフターサービスを申請できます。

DJI製品をお使いの人は、以下のヘルプセンターを確認してみましょう。

▶【DJIヘルプセンター】 バッテリーに異常が発生した場合

廃棄の手続き

落下による損傷が疑われるバッテリーは、安全に廃棄する必要があります。

専門の廃棄施設に持ち込み、適切に処理してください。

飛行前にバッテリー容量は確認する

飛行の安全の確保には、バッテリー容量の確認が欠かせません。

飛行前には、以下のステップを踏みましょう。

フル充電の確認

飛行前にバッテリーが、フル充電されていることを確認します。

充電状態が不十分な場合、重要な飛行にも関わらず、バッテリーが切れてしまうリスクが高まります。

STEP
1

残量のチェック

ドローンのアプリや、コントローラーを使用して、バッテリー残量を確認します。

特に長時間の飛行や、遠距離の飛行を計画している場合は、十分な残量があるか確認してください。

合わせて、バッテリーの電圧もチェックし、異常がないか点検します。

STEP
2

予備バッテリーの準備

飛行中にバッテリーが切れた場合に備えて、飛行予定時間以上の予備バッテリーを用意しておきましょう。

バッテリーのトラブルにより、予定通りのフライトが、できない場合があります。

STEP
3

飛ばす段階でも、確認事項がたくさんありますね?

安全のためには、もれなく実施です!

ドローンのバッテリーでトラブルが発生した時の対処方法

ドローンのバッテリーは、ドローンの性能や、安全性に大きく影響を与える重要な部品です。

しかし、使用頻度や保管方法によっては、トラブルも避けられません。

ここでは、ドローンのバッテリーに関する主なトラブルと、その対処方法について説明します。

ドローンのバッテリーが劣化した時

バッテリーの劣化は、使用回数や経年劣化によって避けられない問題です。

劣化したバッテリーは、飛行時間が短くなる、充電がうまくいかない、バッテリーの持ちが悪くなるなどの症状が現れます。

以下の対処方法を試してみてください。

バッテリーのチェック

劣化が疑われるバッテリーは、まず外観を確認します。

目立った傷や、膨張など変形がないか、確認しましょう。

作動時、コントローラに使用中止など、アラートが表示された場合は、その指示に従ってください。

バッテリーのチェックは、ドローン国家資格の口述試験の中にもしっかり登場します。

バッテリーのチェックを怠ると、口述試験の減点となるので、それくらい重要です。

▶︎対策必須ドローン国家資格の実技試験内容は?注意するべきポイント!

充放電サイクルの実施

バッテリーが正しく動作するか、完全放電と完全充電を数回繰り返してみます。

これで一時的にバッテリーの性能が、回復することがあります。

新しいバッテリーの購入

劣化が進んでいる場合は、新しいバッテリーの買い替えを検討しましょう。

特に、飛行時間が著しく短くなった場合や、充電が正常に行われない場合は交換が必要です。

Phantom4のバッテリーエラー画面

ドローンのバッテリーが膨張している時

バッテリーが膨張するのは、内部の化学反応が異常を起こしている証拠です。

膨張したバッテリーは非常に危険で、適切な対処が求められます。

使用を直ちに中止

膨張したバッテリーは、すぐに使用を中止し、安全な場所に保管します。

「廃棄する時の注意点」を参考にして、適切な廃棄方法を確認しましょう。

新しいバッテリーの準備

膨張したバッテリーは、再使用しないようにし、新しいバッテリーを準備します。

バッテリーの保管や、使用方法を見直し、再発防止に努めましょう。

ドローンのバッテリーが発火・爆発した時

バッテリーの発火や爆発は、最も深刻なトラブル。

このような事態に直面した場合、迅速かつ適切な対応が必要です。

特にドローンが飛行中にバッテリーが発火した場合は、重大インシデントに該当するので、国土交通大臣へ報告が必要になります。

引用元:国土交通省資料

安全を確保

自分自身と、周囲の人の安全を確保します。

発火や爆発が起きた場合、すぐにその場から離れ、安全な距離を取ります。

消火活動

小さな火であれば、消火器(特にリチウムバッテリー対応のもの)を使用して火を消します。

水で消火しないよう注意してください。

大規模な火災の場合は、速やかに消防署に連絡します。

被害の確認と報告

火が収まった後、被害状況を確認し、必要に応じて関係機関に報告します。

購入して間もない製品の場合は、ドローンの製造元にも連絡し、バッテリーの問題について、情報を提供することが重要です。

加えて飛行中に発火した場合は、国土交通大臣への報告も忘れずに実施しましょう。

トラブルの時こそ落ち着いて。学んだことを思い出そう!

まとめ

今回は、ドロ-ンのバッテリーについて紹介しました。

  • ドローン用バッテリーの種類
  • ドローンのバッテリーの注意点
  • ドローンを飛ばす時の注意点
  • ドローンのバッテリーでトラブルが発生した時の対処方法

ドロンのバッテリーは、次の3つに注意すれば、トラブルを未然に防げます。

  • 使用前のチェック
  • 正しい充電方法
  • 安全な保管

日頃から、機体と共にバッテリーの適切な管理を行い、安全にドローンを楽しみましょう。