ドローンに関する法律!航空法以外にあなたはいくつ知っている?
ドローンの普及に伴い、ドローンの利用に関する法律や規制も年々整備されています。
- 日本でドローンの規制は厳しい?
- ドローンの法規制は日本ではどうなってるの?
- ドローンの使用に関係する法律はどんなのがある?
あなたも上記の疑問を、一度は思ったことあるでしょう。
法律という言葉を聞くと、難しく感じて避けてしまいがちです。
しかし、ドローン操縦士として、しっかりと法律を理解する必要があります。
趣味や仕事でドローンを飛ばす前に、知っておくべき法律知識や注意点を、わかりやすく解説していきます。
安全で楽しいドローン飛行のために、必要な情報をしっかり押さえていきましょう。
公の空を飛行するドローンは、他の人へ危害を与えず安全に運用する義務があります!
- 1. ドローンを飛ばす前に!知っておくべき法律知識の基本
- 1.1. 航空法関連
- 1.2. 電波法関連
- 1.3. ドローンに関わるその他の法律
- 1.3.1. 飛行場所に関わるその他の法律
- 1.4. 地方自治体の条例や規制
- 2. ドローンの飛行に関わる法律
- 2.1. 【航空法】ドローンは航空機!飛行ルール違反で罰則も
- 2.1.1. 航空法の概要
- 2.1.2. 飛行禁止区域
- 2.1.3. 飛行方法
- 2.1.4. 機体登録
- 2.1.5. 操縦者の技能証明
- 2.1.6. 違反した場合の罰則
- 2.2. 【電波法】無線操縦には電波利用のルールが必須!
- 2.2.1. 電波法の概要
- 2.2.2. 技術基準適合証明
- 2.2.3. 無線局免許
- 2.2.4. 周波数割当
- 2.2.5. 違反した場合の罰則
- 2.3. ドローン飛行で気をつけたい!その他の法律
- 2.3.1. 民法
- 2.3.2. 刑法
- 2.3.3. 個人情報保護法
- 2.3.4. 著作権法
- 2.3.5. 文化財保護法
- 2.3.6. その他関連法(道路交通法、港則法、自然公園法など)
- 3. 自治体独自のドローン規制!飛行前に要確認
- 3.1. 公園、河川敷、住宅地…飛行場所による規制の違いとは?
- 3.1.1. 公園
- 3.1.2. 河川敷
- 3.1.3. 住宅地
- 3.2. 法令遵守以外に知っておきたいマナーと注意点
- 3.2.1. 機体点検
- 3.2.2. 天候チェック
- 3.2.3. 飛行計画
- 3.2.4. 周囲の状況確認
- 3.2.5. 騒音への配慮
- 3.2.6. プライバシーへの配慮
- 3.2.7. 保険への加入
- 4. まとめ
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ドローンを飛ばす前に!知っておくべき法律知識の基本
ドローンの飛行には、様々な法律や規制が関わります。
- 安全な運用
- プライバシーの保護
- 環境保護
- セキュリティの確保
さまざまな観点からドローンは、法律や規制が制定されています。
ドローンを対象として規定されていない行為でも、関連する法律に注意が必要です。
例えば、飛行だけではなく、撮影や映像の使用に関する規制など、ドローンの利用で影響を受ける可能性のある法律や規制を把握しておく必要があります。
ここでは3つの分野に分けて、ドローンの関わる法律について紹介します。
- 航空法関連
- 電波法関連
- ドローンに関わるその他の法律関連
航空法関連
航空法は「航空機の安全な運航と航空に関する秩序を維持するための法律」です。
主に航空機の安全運航、航空交通管理、設計・整備基準を定めています。
航空法の中にドローンに関する記載があり、操縦者の資格や飛行ルール、ドローンの飛行制限が法律で規定されています。
- 航空法:ドローンの飛行に関する基本的なルール
- 小型無人機等飛行禁止法:重要施設周辺でのドローン飛行を禁止
- 航空法施行規則:ドローンの飛行高度や距離、夜間飛行のルールなどを具体的に規定
ドローンを飛行させる際に関するルールについて、国土交通省のサイトで紹介されています。
電波法関連
電波法は、「電波の利用に関するルールを定めた法律」 です。
電波の公平かつ効率的な利用を目的とし、無線局の免許制度、周波数割当て、混信防止、技術基準が定められています。
- 電波法:ドローンの使用周波数帯と送信出力に関するルール
- 電波法施行規則:ドローンの無線設備の技術基準を規定
電波を管轄するのは、総務省です。
総務省のサイトにて、電波に関わる情報や免許などの申請を受け付けています。
ドローンに関わるその他の法律
ドローンで行う飛行行為や、撮影などで得た情報について関わる可能性のある法律です。
名称 | 内容 |
---|---|
民法 | ドローン飛行による損害賠償責任 |
刑法 | ドローンを使用した犯罪行為への適用 |
個人情報保護法 | ドローンで撮影に映り込んだ個人に関わる情報の取り扱い |
著作権法 | ドローンで撮影した映像の著作権 |
電波障害に関する法律 | ドローンの電波による障害防止 |
特定秘密保護法 | ドローンによる特定秘密の不正取得防止 |
不正アクセル禁止法 | ドローンの不正な操作の防止 |
鳥獣保護法 | ドローンによる野生動物に危害を加える行為の防止 |
飛行場所に関わるその他の法律
主にドローンを飛ばす場所に関わる法律です。
航空法で制限のない空域でも特定の場所では、他の法律に抵触しないか配慮が必要です。
- 文化財保護法:寺院や神社、歴史的建造物の周辺での無許可飛行防止
- 道路交通法:道路上でのドローンの離着陸に関する規制
- 港則法:港湾区域でのドローン飛行規制
- 自然公園法:国立公園等でのドローン飛行規制
地方自治体の条例や規制
地方自治体では、ドローンに関わる条例や規制を設けています。
一律ではなく、地域ごとにルールが異なります。
- 飛行に関る条例
- 飛行音に関する規制
ドローンを飛ばしたいエリアにドローンに関する条例や規制がないか、各自治体のウェブサイトを参照しましょう。
例えば東京都や大阪府の公園ではドローン飛行が全て禁止されています。
飛行禁止のルールがあるにも関わらずに、ドローンを飛ばしてしまうと、罰則が適応されるので注意が必要です。
ドローンに関わるのは、航空法だけではないのですね。
注意すべき点、しっかり確認しましょう!
ドローンの飛行に関わる法律
ドローンの普及に伴い、ドローン飛行に関する法律の把握について、重要性が増してきています。
ドローンを飛ばすには、下記の法律を遵守する必要があります。
- 航空法
- 電波法
- 民法
- 刑法
- 個人情報保護法
- 著作権法文化財保護法
多くの法律を遵守する必要があります。
それぞれの法律のポイントを紹介するよ!
【航空法】ドローンは航空機!飛行ルール違反で罰則も
ドローンは「無人航空機」として、航空法に基づいて飛行する必要があります。
違反した場合、罰則が適用されます。
航空法の概要
航空法の中のドローンの飛行ルールには、飛行禁止区域、飛行方法、機体登録、操縦者の技能証明などが含まれます。
飛行禁止区域
国土交通省が指定した以下の区域で、ドローンの飛行が禁止されています。
- 人口集中地区
- 空港の周辺
- 150m以上の上空
- 緊急用務空域
これらの空域で飛行するには、国土交通大臣の許可が必要です。
飛行方法
ドローンの下記の方法での飛行が規制されています。
- 夜間
- 目視外
- 危険物の輸送
- 物件の投下
- 催し場所での飛行
- 人・建物などとの距離確保
ただし、国土交通省航空局長の承認を事前に受けていれば飛行が可能です。
機体登録
ドローンを飛ばすには、所有者や機体情報などを事前に登録します。
国土交通省のDIPS2.0というシステムで登録します。
操縦者の技能証明
ドローンの操縦者には、ドローン操縦の技能証明となる「無人航空機操縦者技能証明制度」があります。
違反した場合の罰則
航空法では、違反を犯した場合の罰則が定められています。
特に以下の罰則は、無人航空機の国家資格取得時にも出題されるため、資格を取る人は覚えておきましょう。
違反行為 | 罰則 |
事故が発生した場合に 飛行を中止し負傷者を救護するなどの 危険を防止するための 措置を講じなかったとき | 2年以下の懲役又は 100万円以下の罰金 |
登録を受けていない無人航空機を 飛行させたとき | 1年以下の懲役又は 50万円以下の罰金 |
アルコール又は薬物の影響下で 無人航空機を飛行させたとき | 1年以下の懲役又は 30万円以下の罰金 |
・登録記号の表示又はリモート ID の搭載をせずに 飛行させたとき ・規制対象となる飛行の区域又は方法に 違反して飛行させたとき ・飛行前の確認をせずに飛行させたとき ・航空機又は他の無人航空機との 衝突防止をしなかったとき ・他人に迷惑を及ぼす飛行を行ったとき ・機体認証で指定された使用の条件の範囲を 超えて特定飛行をおこなったとき 等 | 50万円以下の罰金 |
・飛行計画を通報せずに特定飛行を行ったとき ・事故が発生した場合に報告をせず、 又は虚偽の報告をしたとき等 | 30万円以下の罰金 |
・技能証明を携帯せずに特定飛行を行ったとき ・飛行日誌を備えずに特定飛行を行ったとき ・飛行日誌に記載せず、又は虚偽の記載をしたとき | 10万円以下の罰金 |
航空法の遵守するためにも、多くの場合、関係機関への許可・承認の申請が必要です。
しっかりとした対応により、航空法を遵守した飛行が可能になります。
申請についてあまり自信がない人は、以下の記事を参考にしてみて下さい。
▶ 驚きの時間節約!ドローンの包括申請vs個別申請、スマートな選び方
【電波法】無線操縦には電波利用のルールが必須!
電波法は、日本国内で電波を使用する際のルールを定めた法律です。
ドローンの操縦には、電波法に基づいてルールに則った利用が必要です。
違反した場合、罰則が適用されるため注意しましょう。
電波法の概要
電波法は、電波の公平かつ効率的な利用の確保を目的とした日本の法律です。
電波法の概要には、技術基準適合証明、無線局免許などが含まれます。
技術基準適合証明
ドローンの無線操縦には、技術基準適合証明(通称:技適)が必要です。
技術基準適合証明は、無線機器が電波法で定められた技術基準に適合していることを証明するものです。
ドローンの場合、コントローラーや通信機器がこの証明を受ける必要があります。
これにより、ドローンが他の無線通信に干渉を与えないことが保証されます。
上記のマークがないドローンは日本国内では飛ばせないので注意が必要です。
無線局免許
一定以上の出力を持つ無線機器を使用する場合、無線の資格が必要です。
また電波を発する機器を無線局として登録し、免許を取得する必要があります。
ただし、多くの小型ドローンは、微弱な電波を使用するため、免許不要で運用できる場合が多いです。
しかし、大型のドローンや特殊な用途に使用するドローンの場合は、無線局免許が必要となることがあります。
以下の図は、無線局を開設する申請から免許取得まで概要です。
周波数割当
電波法は、様々な用途に応じて適切な周波数帯を割り当てています。
ドローンの操縦に使用される周波数帯も、この法律によって定められています。
これにより、ドローンの通信が他の無線サービスと干渉しないよう管理されています。
周波数帯の割り当てについて、詳しく知りたい人は以下の総務省のサイトを確認しましょう。
違反した場合の罰則
輸入販売のドロ-ンや自作のドローンについては技適対応や利用周波数に注意が必要です。
違反行為 | 罰則 |
無許可で無線局を開設・運用 | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
技術基準に適合しない無線設備の使用 | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
重要無線通信の妨害 | 5年以下の懲役または250万円以下の罰金 |
ドローン飛行で気をつけたい!その他の法律
ドローン飛行には、民法、刑法、個人情報保護法、著作権法、文化財保護法など、多くの法律を遵守する必要があります。
民法
民法は個人の権利や財産を保護する法律です。ドローン飛行に関しては、特にプライバシー侵害と損害賠償の問題が重要です。
- 住宅地の上空を飛行し、私有地を撮影することでプライバシーを侵害する可能性があります。
- 操縦ミスで他人の財産に損害を与えた場合、賠償責任が生じます。
刑法
刑法は犯罪と刑罰を定める法律です。
ドローンを使用した犯罪行為は厳しく罰せられます。
- イベント会場上空での危険な飛行は、威力業務妨害罪に問われる可能性があります。
- ドローンを使用した盗撮行為は、迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反となる場合があります。
個人情報保護法
個人情報の取り扱いに関する法律です。
ドローンで撮影した映像に個人を特定できる情報が含まれる場合、この法律が適用されます。
- 公園でドローン撮影を行い、特定の個人の顔や行動が明確に映っている場合。
- 業務等で管理している顧客リストを管理する場合。
著作権法
建築物や美術作品などの著作物をドローンで撮影する際に関係します。
- 有名建築物や彫刻をドローンで撮影し、その映像を商用利用する場合。
文化財保護法
文化財の周辺でのドローン飛行に関係します。
- 国宝や重要文化財に指定されている建造物の周辺でドローンを飛行させる場合。
その他関連法(道路交通法、港則法、自然公園法など)
場所や状況に応じて、さまざまな法律が適用される可能性があります。
- 道路上でのドローンの離着陸は、道路交通法違反となる可能性があります。
- 国立公園内でのドローン飛行は、自然公園法に基づく規制があります。
ドローンの適切な管理は、飛行中だけでなく、撮影場所や得られたデータまで多岐にわたります。
その特性を理解し、正しく扱うことが重要です。
自治体独自のドローン規制!飛行前に要確認
各自治体では、独自のドローン規制を設けています。
自治体が独自のドローン規制を設ける理由は、地域の特性や安全性、住民の生活環境を保護するためです。
主に以下の理由があります。
- 地域の安全確保
- 住民の生活環境保護
飛行する自治体の、条例を必ず事前に確認しておきましょう。
公園、河川敷、住宅地…飛行場所による規制の違いとは?
ドローン飛行の規制は場所によって大きく異なります。
各エリアの特性や規制を理解し、安全で適切な飛行を心がけましょう。
公園
原則としてドローンの飛行が禁止されている自治体が多いです。
これは、公園利用者の安全を確保し、快適な環境を維持するためです。
公園管理者が許可する場合には、ドローンの飛行が可能になります。
河川敷
河川敷でのドローン飛行に関しては、一律に禁止されているわけではありません。
河川法に基づき、河川区域内でドローンを飛行させる場合は、河川管理者(国土交通省や都道府県など)の許可が必要です。
住宅地
住宅地でのドローン飛行は、法律上全面的に禁止されているわけではありませんが、様々な制約があります。
住宅地で飛行する場合は、以下の点に注意が必要です:
- 航空法に基づく許可・承認を取得する
- 周辺住民に事前に説明し、理解を得る
- プライバシーを侵害しないよう、撮影には十分注意する
- 騒音や落下のリスクを最小限に抑える
法令遵守以外に知っておきたいマナーと注意点
ドローン飛行を安全かつ責任を持って行うためには、法令遵守だけでなく、適切なマナーと注意点を理解し、実践することが重要です。
以下、主要な項目について詳しく解説します。
機体点検
ドローンの機体を飛行前に点検することは、安全運用の基本です。
具体的な点検項目
- プロペラの損傷や緩みがないか確認
- バッテリーの充電状態と接続の確認
- 機体のねじや接続部分の緩みチェック
- カメラやジンバルの動作確認
- コントローラーとの通信状態の確認
ドロ-ンの点検を実施する必要性を理解しているけど、あまり自信がない人は、以下の記事を参考にしてください。
▶︎ドローン飛行前点検は出来ている?チェックすべき項目を紹介!
天候チェック
天候は飛行の安全性に大きく影響します。飛行前に必ず確認しましょう。
チェックポイント
- 風速(多くのドローンは風速10m/s以上で飛行困難)
- 雨や雪の可能性(水濡れによる故障リスク)
- 気温(低温時はバッテリー性能が低下)
- 視界の良さ(霧や靄による視界不良は危険)
飛行計画
事前に綿密な飛行計画を立てることで、安全性が大幅に向上します。
計画に含めるべき項目
- 飛行ルートと高度
- 飛行時間と距離
- 離着陸地点の選定
- 緊急時の対応手順
- 必要な許可・申請の確認
以下の記事では、ドローンの飛行をお助けするアプリを多数紹介しています。
あなたも、是非試してみてください。
▶︎ドローンを飛ばせる場所をアプリで簡単チェック!おすすめアプリ11選
周囲の状況確認
飛行環境の安全性を確保するために、周囲の状況を十分に確認することが不可欠です。
確認すべき項目
- 人や車の往来
- 建物や樹木などの障害物
- 電線や看板などの上空の障害物
- 動物(特に鳥類)の有無
- 電波環境(電波干渉の可能性)
騒音への配慮
ドローンの飛行音は意外と大きく、周囲の人々に不快感を与える可能性があります。
住宅地や静かな環境での飛行は避け、必要な場合は周囲の理解を得るようにしましょう。
プライバシーへの配慮
カメラ付きドローンを使用する際は、他人のプライバシーを侵害しないよう十分注意しましょう。
不必要に人を撮影したり、私有地を無断で撮影したりすることは避けましょう。
保険への加入
事故や損害賠償に備えて、ドローン専用の保険の加入をおすすめします。
多くの場合、自動車などと比較しても、安価で加入でき、万が一の際の心の支えになります。
どんな保険があるのか?保険はどれが最適か?など迷う人は以下の記事を参考にしてください。
▶ドローン事故のリスクと保険の重要性!安心して飛ばすドローン保険ガイド
ドローンは、操縦以外にもたくさん覚える事や、注意すべきことがありますね。
気を引き締めて取り組みましょう!
まとめ
ドローンの飛行には、航空法や電波法をはじめとする様々な法律が関係しています。
また、自治体独自の条例や飛行場所による規制にも注意しましょう。
同時に、法令遵守だけでなく、機体の点検や天候のチェック、周囲への配慮など、適切なマナーと注意点を守ることも重要となります。
法律とマナーを守り、安全に配慮しながら、ドローンの世界を楽しみましょう。